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【石川】「AI」「外国人」介護変革 2025年問題 小松の特養が先手 

「カメラ見守り 職員に自動通報」

 団塊の世代が後期高齢者になる2025年を見据え、石川県小松市の特別養護老人ホーム「自生園」は、人工知能(AI)を備えたカメラで入所者の様子を見守り、職員はタブレット端末を持ち歩き合理化を進める。一方、介護福祉士を志す留学生を好待遇で雇い、将来の外国人雇用の拡大をにらむ。(青山直樹)

タブレットに映し出された個室の入所者の様子=石川県小松市で(青山直樹撮影)

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 個室ベッドで眠る高齢入所者が、職員の持つタブレットに映る。見守るのは天井に備えられたAIカメラ。入所者がベッドから起き上がれば、即座に動きを察知。アラームで知らせ、転倒など事故を未然に防ぐ。

 映像はシルエットで映し出され、プライバシーは守られる。ベッドには特殊なシートが敷かれ、脈拍や呼吸数などを測定し、自動的にタブレットに表示する。石川県のモデル事業として、AIカメラ二台とシート五枚を八月に導入し、実用性を検証している。

 百人ほどが入所し、介護職員は約四十人。五人態勢となる夜勤の負担は大きい。今井要施設長(68)は「介護は人の手によるケアが基本だが、AIで負担が減ることは確か」と話す。

「好待遇スカウト 進む囲い込み」

 介護の在留資格が二年前に新設され、外国人留学生の雇用も進める。注目するのは高齢化が進み、介護の需要が高まるタイ。同県加賀市の専門学校アリス学園で学ぶタイ人女性二人がアルバイトとして働く。

入所者に笑顔で接するファーイさん=石川県小松市で(青山直樹撮影)

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 「ほほえみの国」の人らしい表情を見せるのが、ファーイさん(22)とユイさん(25)。学園の日本語学科で学び、流ちょうな日本語で入所者と接する。やりがいは「笑顔で喜んでくれること」。介護福祉学科に四月に進む。卒業すれば介護福祉士の資格が得られる。

 自生園はタイの日本語学校と協力し、日本の介護現場で働く意欲ある学生を現地でスカウト。一期生がこの二人だ。学費と生活費の全額を負担する。続く学生らの悩みを相談できる先輩がいれば、外国人が定着しやすいとみるからだ。

 このホームを運営する社会福祉法人自生園の木崎馨雄常務理事(48)は「外国人雇用で、現状では留学生を雇うのが最もハードルが低い。外国人の手を借りなければ介護現場は成り立たなくなる」と話している。

【メモ】2025年問題=1947〜49年に生まれた「団塊の世代」全員が75歳以上の後期高齢者となり、医療費や社会保障費が急増する問題。6人に1人が75歳以上、3人に1人が65歳以上という「超高齢化社会」を迎え、医療や介護の需要が一層高まる。

 

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