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【石川】美術館 悩み聞く場に 小松の洋画家 八十山和代さん

自宅に併設 中高生から相談

 石川県小松市を拠点に国内外で活躍している洋画家の八十山(やそやま)和代さん(60)が、自宅併設の美術館で、画業の傍ら、深刻な問題を抱える中学、高校生らの相談に乗っている。「しんどい思いをしている子を放っておけない」(長屋文太)

子どもたちの相談に乗る八十山和代さん(中)=石川県小松市で(長屋文太撮影)

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 「学級崩壊している。先生に相談したけど取り合ってくれない」。九月初旬、旧知の高校生が八十山さんにそう打ち明けた。私語、スマートフォンをいじってのゲーム、時には水鉄砲で遊び、ふざけて組み体操を始める生徒も。授業中の教室とは到底、思えなかった。

 竹をモチーフにした作品で知られる八十山さんは、国内はもとより、米国、中国、ブラジルなどでも個展を開いてきた。八年前、小松市の住宅街に八十山雅子・和代美術館を建設。アトリエもある美術館には県内外から美術愛好家のほか、地元のお年寄りらが訪れ、地域の交流の場にもなっている。

 美術館展示エリアの大広間には、ゆったりと作品が鑑賞できるようにとソファが置かれている。そこで子どもたちが相談を切り出す。真っすぐ伸び、生命力にあふれた竹を描いた作品に囲まれる中で、困り事を抱える子どもの心をほぐしていく。

 学級崩壊はクラス替えがあった今春始まった。「普通の高校生活を送りたい」。複数の教師に相談したが「やり過ごすしかない」「どうしたらいいか分からない」などと取り合ってくれなかった。思い余って八十山さんを訪ねた。八十山さんは校長を知っていたこともあり、翌週には高校生の母親と一緒に学校を訪ね、直談判した。

 美術館を訪れ、いじめや不登校などを打ち明けてくれる中学、高校生らには親身に相談に乗る。市教委にも掛け合ったことがある。「いじめなど子どもを取り巻く問題をなくすことが、社会を明るくし、ひいては犯罪抑止になる」。二年前から引き受けた保護司の顔をのぞかせる。

 「会員制交流サイト(SNS)が発達し、子どもの問題は複雑、陰湿になってきた。専門家だけではなく、多くの大人が関心を持ち、地域で子どものSOSに気づいてあげたい」

 問い合わせは、八十山雅子・和代美術館=電0761(43)3458=へ。

 

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