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【石川】結婚式場でこども食堂 シェフの料理 皆で味わって

金沢で今夜初開催 平日の会場活用

 子どもに低額で食事を提供する「こども食堂」が二十一日夜、金沢市藤江北の結婚式場「フラワーガーデン」で初めて開かれる。平日の空いた披露宴会場を活用し、シェフが腕をふるう。総支配人の竹中透さん(48)は「式場を始めて十八年間、地域の人たちに支えられてきた。恩返しをしたい」と話す。来年一月までは、第三月曜日の夜に開いていく。(寺田結)

こども食堂を開く披露宴会場で当日の流れを話し合う総支配人の竹中透さん(左)と総料理長の扇成正宏さん=金沢市藤江北のフラワーガーデンで

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 初回のメイン料理はハンバーグ。ビュッフェ形式のおかずやデザートも。子どもは無料、十九歳以上は五百円だ。竹中さんは「夕飯を一人で食べている子どもや、家族の食事の準備に疲れた親。皆で一緒に楽しんでほしい」と声を弾ませる。

 式場のオーナー橋爪渡さん(59)が五年前、テレビ番組でこども食堂を知った。利益でなく、純粋に子どものために活動する大人や、さまざまな世代の人が笑顔で交流する様子に感動した。元々、国連児童基金(ユニセフ)などに寄付を続けていたが「地元の人を、顔を見ながら支援したい」との思いもふくらんだ。

 考えてみると、結婚式が開かれるのは土日が中心。平日の夜は空き部屋がある。厨房(ちゅうぼう)もあり、環境は整っている。自らフライパンを握り、試しに職員二十人分のまかないを作ってみた。「簡単なメニューなら一時間で作り終わる。五十人分も数人いれば難しくない」と確信した。

 橋爪さんから提案を受け、竹中さんは九月上旬に石川県津幡町内のこども食堂を視察した。式場ではおいしい料理と美しい空間が重要視されるが「ここは違う。楽しく交流できる場をつくることが大切」と感じた。子どもに笑顔で声を掛ける大人たちの姿に心を動かされ、式場ならではの交流を考えた。食事前に、婚礼時に使う折り鶴を作ったり、ナイフやフォークを磨いたりする時間を二十分ほど設ける。

 食堂を開くと知った漁師がアマエビ三キロを提供してくれる。「殻でだしを取り、身も入れた茶わん蒸しを作ります」。総料理長の扇成(おうぎなり)正宏さん(59)も準備は万端だ。

 二十一日は午後五時半〜八時。予約はフラワーガーデン=電076(266)1566=へ。予約なしでの参加も受け付ける。

コンビニ、給食会社も 広がる協力の輪

 石川県内では、定期的に開催されているこども食堂が金沢、七尾、小松、輪島、加賀、羽咋、白山、能美、津幡、内灘の八市二町に少なくとも二十八カ所ある。ほぼ全てが公民館など公共施設で開かれている。全国組織の「こども食堂ネットワーク」(東京都渋谷区)の釜池雄高(ゆたか)事務局長(42)は「結婚式場で開く例は初めて聞いた。子どもたちにとって選択肢が増えるのは良いことだ」と話す。

 企業がこども食堂を開くケースは増えているという。大手コンビニチェーン「ファミリーマート」(本社・東京都港区)は今年三月から、商品の弁当を提供し、レジ打ち体験もしてもらう「ファミマこども食堂」を始めた。九月からは、給食事業を展開する「ソシオークホールディングス」(同)も従業員の研修所で開いている。

 釜池さんは、こども食堂の意義を「子どもの貧困対策」と「地域交流の拠点」と説明する。「企業も地域の一員。交流の場を提供してもらえるのは非常にありがたい。こども食堂は家庭の味を提供すべきだという人もいるが、仕事の体験や、プロの料理が味わえるのも貴重なこと」と語る。

 

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