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北陸発

障害者アート 社会へ懸け橋を

金沢に支援・発信の拠点開設

機織りに打ち込む通所者(左)を見守る菊義典さん(右)=金沢市三小牛町の「ぽれぽれ工房山の家」で

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 知的障害者の芸術作品を世に出したい−。そう願う福祉施設の職員らに展示会の開き方などをアドバイスしようと、就労支援事業所「ぽれぽれ工房山の家」(金沢市三小牛町)代表の菊義典さん(43)が、新たに支援センター「かける」を設立した。菊さんは「障害者にとっての選択肢が増えるように、ノウハウを伝えていきたい」と話す。(寺田結)

 センターの名は「アートと福祉の懸け橋になりたい」との思いを込め、菊さんが付けた。石川県から障害者の芸術活動を支援する事業の委託を相談され、引き受けた。事業内容の詳細を考案し、自ら福祉関係者らにアドバイスしている。

 菊さんが代表を務める山の家では、知的障害がある通所者が日々、ハンカチを草木染で仕上げたり、コースターを機織りで作ったりしている。作品は、県立美術館のお土産売り場や農産物の直売所など金沢市内の三カ所で販売している。

 菊さんは「障害者がやりたいことを問題行動ではなく、芸術と捉え、面白いと思う人が増えている」と話す。菊さん自身、牛乳パックをぬらしてフィルムをはがし、残った芯を洗濯挟みで干すのが好きだった通所者の一人に「紙すきをしよう」と提案。日常的な習慣が、照明の傘を作る芸術活動に生まれ変わった。

 既成概念にとらわれず作る芸術は「アウトサイダーアート」と呼ばれ、認知度が高まっている。ただ、障害者の家族から「展示に何の意味があるのか」と反対されたり、展示会を開く場所が分からなかったりして、支援をためらう福祉施設の職員もいるという。

 菊さんはセンターを通じて「作品の上手、下手は関係なく、その人が大切にしているものを支えてあげることが大事」などと家族を説得し、まずは近所の郵便局や公民館で展示することを勧めている。

 作品の販売に向けても、委託先の選び方やPRの仕方、価格の設定などについて教える。経費にかかる予算を心配する施設の運営者もいるため、公益財団から助成を受ける企画書の作り方も助言する。

 菊さんは「センターで作品展の発信もして、障害者アートの情報の拠点にしたい」と語る。問い合わせは支援センター=電080(7484)9349=へ。

 

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