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ペットロスに心の寄り添い 小松の呉服店若おかみ「療法士」に

1月に死んだ看板犬の元太の写真やグッズが並ぶ店内で、2代目の看板犬の伍助をかわいがる神田香苗さん=石川県小松市八日市町で

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 家族同様に暮らしたペットを亡くした喪失感を癒やすため、石川県小松市八日市町の呉服店の若おかみ、神田香苗さん(53)が、ペットロス療法に取り組み始めた。一月に愛犬を失った後、療法士の民間資格を取得した。自身の体験を踏まえ、カウンセリングに応じている。(長屋文太)

愛犬亡くした体験 胸に

 神田さんは京都市出身。美術高校を卒業し、京友禅の着物の柄を手描きする仕事に就いた。呉服店の跡取りとして京都の問屋で修業しながら仕入れを担当していた夫と二十五歳で結婚。修業を終えた夫と二年後、小松市に移り、夫の実家の呉服店「きぬ工房神田」の若おかみになった。

 神田さんが柴犬「元太」を飼い始めたのは二〇〇四年。自由な書体で思いを込めた筆文字に、イラストを添えるなどして喜怒哀楽を表す「心書」を趣味で始めていた。地蔵や動物のイラストを添え、思いをつづっていたが、一〇年に元太のイラストを添えた心書の色紙、カレンダーなどを店頭に並べると売れ、まさに店の看板犬となった。

 五年前から会員制交流サイト(SNS)のインスタグラムに元太の写真を載せると、フォロワーが増え、さらに人気が出た。ただ老犬となった元太を見て「後どれほど一緒にいられるのだろう」と不安もあった。

 二年ほど前からペットロスの症状、ケアを学び、カウンセリングに生かす勉強を始めた。そんなさなか、十四年間共に暮らした元太が一月初め、肝臓がんで死んだ。「悲しみを話せる人も、なかなかいない」。対処を学ぶ神田さん自身、強いペットロスに陥った。

 二月中旬には柴犬の子犬を迎え、「伍助」と名付けた。三月、メンタルケア学術学会(東京都)が認定するアニマル・ペットロス療法士という資格試験を受験し、五月に合格した。でもまだペットロスと向き合っている途中。「ペットとの日々を優しい思い出に変えるお手伝いができれば」という思いが募った。

 今月十三日、店名を「ハートアート工房神田」に変えた。心書アートやカウンセリングに力を入れるためだ。呉服の仕事はおかみの昌子さん(78)が続ける。「ペットロスからの立ち直りの早さは人それぞれ。話を聞き、寄り添いたい」と神田さん。予約はインスタグラム、メール、電話などで受ける。問い合わせは、神田さん=電090(2834)8518=へ。

「増える室内飼育 影響」

 日本ペットロス協会(川崎市)の吉田千史代表理事は「ペットの室内飼育が増え、ペットとの距離が近づき、大事にする人が増えたためペットロスになる人も増えている」と分析する。

 吉田さんは獣医師。1996年、ペットを亡くし悲しむ飼い主の相談窓口「ペットロス110番」を開設。2000年に協会を立ち上げた。協会の講座を修了後に認定される「ペットロス・カウンセラー」と「ペットロス・パラカウンセラー」は計約130人。ペットロス関連の資格は複数あり、日本ペット技能検定協会の「ペットロスケアアドバイザー」もある。

 

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