トップ > 北陸中日新聞から > 北陸発 > 記事

ここから本文

北陸発

PFU携帯スキャナー 絵画データ化 欧州で大活躍

スキャンスナップSV600を使い、水彩画をスキャンするTWWスタッフ=ロンドン市内で(TWW提供)

写真

「画質きれい」無償で提供

 【ロンドン=藤沢有哉】欧州の芸術振興に「北陸発の技術」が貢献している。19世紀以前の水彩画のデジタル画像を作製し、公開に取り組む英国の慈善団体に対し、富士通子会社の「PFU」(石川県かほく市)が携帯型のスキャナーを無償で提供。デジタル化後の色合いの正確さといった性能の良さを、団体関係者は喜んでいる。

 「画質がきれいで、紙の湾曲を補正して再現する機能もある。何より、額装のガラス越しにスキャンできるから作品を傷つけない」

 慈善団体「ザ・ウオーターカラー・ワールド(TWW)」(英南部スティーブニッジ)最高経営責任者のアンドラ・フィッツハーバートさんが、PFUのスキャナー「スキャンスナップSV600」の長所を説明した。

 TWWによると、水彩画は写真が普及する前、風景や人々の生活、動植物を記録する主な手段だった。ただ、熱や光による傷みを防ぐため保管したままになりがちで、人目に触れない作品が多い。TWWは英国内外で探した水彩画をデジタル画像化して公開し、芸術性や制作時の各地の様子を知ってもらおうと、二〇一七年に発足。愛好家のチャールズ皇太子も支援者だ。

 個人所有が多い水彩画の画像収集には、スキャナーの持ち込みが欠かせない。TWWはインターネットで携帯型を探し、重さ三キロでA3サイズまで撮影可能なスキャンスナップに目を留めた。協力の打診を受けたPFU英国法人は「地域への貢献のため」と一七年夏に協力する協定を結び、六台を無償で提供した。

 TWWは、欧州の作品を中心に約八万点の画像をウェブサイトで公開中。ほとんどは外部から提供された画像だが、TWWが独自に作製した約一万点のうち六割超でスキャンスナップを使った。

 PFU英国法人の牧徹社長(59)は「欧州の芸術振興の土壌は素晴らしい。これを契機に、日本や米国でも社会貢献したい」と話す。フィッツハーバートさんは「より大きなサイズもスキャンできれば素晴らしい」と技術の進歩に期待した。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索