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平和のバトン 全小学校へ 原爆犠牲者の闘いたたえるCD寄贈

完成したCD「平和の子ら」を手にする川崎正美さん(左)と、付録のブックレットをもつ西本多美子さん=石川県野々市市で

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県内の被爆者ら

 石川県内の被爆者らが、原爆犠牲者の追悼像「平和の子ら」建立に合わせて二十年前にできた歌を収録したCDを作った。県内の被爆者の平均年齢は八十五歳。「私たちに残された時間は短い。核のない平和な世界を求めるバトンを子どもたちに渡したい」と、県内の全小学校に寄贈する。

 歌は像と同名の「平和の子ら」。県内のフォークグループ「でえげっさあ」が作り、金沢市の卯辰山に像が建立された翌一九九九年に披露した。

 ♪私たちは もう長くはないからと 歴史を刻み 希望を託した ヒロシマ・ナガサキを 生き抜いた人たちの 涙とやさしさが この銅像になった

 こんな歌詞がある。四歳のとき広島で被爆した県原爆被災者友の会の西本多美子会長(78)=金沢市=は「被爆者の心が深く表現され、聴くと感動で涙がこぼれる。この歌を後世に残したい」とCD制作を企画。県内外の有志二百人余りが資金提供などで協力した。

 でえげっさあのメンバー五人は昨夏の催しで、歌作りへの感謝状を西本さんから贈られた。作詞した元小学校教員の川崎正美(まさみ)さん(63)=白山市=は「感謝状を贈られるべきはむしろ被爆者の皆さん。病気や差別と闘い、核兵器をなくそうと頑張ってきた。彼らに感謝状を贈るつもりでCD制作に協力しました」と話す。

 歌は県内の小学校で開かれる平和集会などで歌い継がれてきた。CDには白山市明光小の児童たちが合唱した歌も収録した。有志らは寄贈先の多くの学校でも歌ってほしいと願う。

 二十年前に百八十四人いた県内の被爆者は七十五人まで減った。西本さんは「市民が理由もなく殺され、生き延びた人も放射線の影響で苦しみ続けている」と訴える。そして子どもらにこう伝えたいという。「テレビに出てくるようなヒーローは現実にはいない。みんな一人一人が頑張らないと核兵器はなくならないし、平和は保てないよ」

 CDは千枚作った。希望者には千円で販売する。購入、問い合わせは事務局=電090(2374)8784=へ。 (辻渕智之)

 

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