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富山県人初 エベレスト登頂 立山ガイド、佐伯さん

標高7000メートル超の地点で登頂の準備を進める佐伯知彦さん=ネパールで(アートジョイ提供)

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 世界最高峰のエベレスト(八、八四八メートル)に挑んでいた立山ガイドの佐伯知彦さん(40)=富山県立山町=が二十二日、登頂に成功した。富山県山岳連盟が把握している限りでは、県人のエベレスト登頂は初めて。日本人は二百人近くが成功しており、佐伯さんは今季初めて成功した日本人とみられる。(柘原由紀、山本真士)

 佐伯さんを支援する登山用ウエア製造のアートジョイ(同県小矢部市)によると、佐伯さんは二十一日夜、シェルパや香港のチームらと最終キャンプを出発。二十二日午前七時四十分(日本時間午前十時五十五分)ごろ、山頂に到達した。

 佐伯さんが登ったのは「ノーマルルート」と呼ばれる南東稜(りょう)ルートで、最も登頂の成功率が高い。今季は例年に比べ天候が不安定なため、雲の発生が少ない夜に移動を始めた。世界中から集まった登山者で混雑し、ベースキャンプへの下山は二十四日となる見通し。

 佐伯さんは、立山ガイド協会の前身組織を設けた佐伯平蔵(故人)のひ孫。二〇一四年から海外遠征を繰り返し夢だったエベレスト登頂の準備を進めてきた。

 四月三日にエベレスト登山の玄関口に到着し、高地に体を順応させつつ、山頂にアタックするタイミングを探ってきた。当初は五月十日すぎに挑む予定だったが、悪天候の影響で遅れた。一方で、支援者には「コンディションは絶好調」と順調な様子を伝えていた。

町長「誇らしく思う」 過去にも多くの挑戦者

 応援してきた関係者は喜びに沸いた。富山県立山町の舟橋貴之町長は「立山に登ってきた同じ町民として誇らしく思う」と祝福。アートジョイの小田浩史社長は「挑戦を最高の形で終えられた」と受け止めた。立山ガイド協会の佐伯高男会長は「立山ガイドの歴史をつくってほしい」と今後の活躍に期待した。

 エベレスト登頂には多くの県出身、在住者が挑んできたが、天候や体調が悪化したり、装備やルートが整っていなかったりして山頂に立った人はいなかった。

 県山岳連盟の山田信明会長によると、一九七〇年に登山家の松浦輝夫さんと植村直己さんが日本人初の登頂に成功した登山隊には、県出身者一人が参加。七五年に登山家田部井淳子さんが世界初の女性の登頂に成功した際の登山隊にも県内から二人が加わっていた。

 七〇年にプロスキーヤーの三浦雄一郎さんがエベレストで挑んだスキー滑降にも、県出身者一人が同行した。このほかにも複数の出身者がエベレストを登ってきたが、いずれも山頂には届かなかったという。

 山田会長は「知彦君はそうした人々の思いを背負って登ったと思う」と意義を強調。佐伯さんが小中学生の立山登山を案内している活動にも触れ「子どもたちに夢を与えるという意味でも良いことだ」と喜んだ。

日本人193人成功

 海外山岳のコーディネートやコンサルタント業を行う「ウェック・トレック」(東京都)のまとめによると、一九七〇年から昨季までに百九十三人が登頂した。延べでは二百四十三人に上る。今季も二十二日現在、ネパール側から二人、中国側からも数人がエベレストの山頂を目指している。

 ただ、登頂者の正確な把握は難しい。ネパール政府が発行する登頂認定書の信頼性は低く、公認する権威ある機関も存在しない。近年は登山隊に所属しない単独登頂者や、ツアー会社を通して登る人が増え、情報入手は難しくなっている。

 

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