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「黒部ルート」世界狙う 24年度旅客向け開放

高熱隧道などを通る専用の機関車=21日、富山県黒部市で(山中正義撮影)

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 富山県の電源開発の歴史を残す関西電力の輸送路「黒部ルート」。二千人の公募に限定している見学会は二〇二四年度に旅客向けに開放され、立山と黒部の両地域を周遊する新たな観光ルート実現への期待は高まる。二十三日から始まる本年度の公募見学会を前に二十一日、報道陣にルートが公開された。(山中正義)

公募見学開始前に公開

 黒部峡谷鉄道の終点・欅平(けやきだいら)駅と黒部ダムを結ぶ延長約十八キロ。見学には約三時間半かかり、専用の機関車やバスなどを乗り継いで地下道を進む。工事の苦労を体感し、黒部川第四発電所や黒部ダムも見学できる。

 最大の見どころの一つは、吉村昭さんの小説にも描かれた「高熱隧道(ずいどう)」。建設当時は岩盤温度が一六〇度にも達し、ダイナマイトが自然発火するほどの高熱の中での作業だった。現在は四〇度程度となっている。

 隧道は専用の機関車に乗って第四発電所へ向かう途中にある。走行中には温泉のようなにおいとともに生暖かい風が入ってくる。凹凸のある壁面からは難工事の一端がうかがえる。

 ルートを巡っては、立山黒部の「世界ブランド化」を目指す県が昨年、見学会を旅客向けに一般開放する協定を関電と締結し、見学者を現在の約二千人から最大一万人まで増やすと決めた。ルート内は素掘りに近いところも多い。関電は本年度から約五年をかけて、安全対策工事を行うことになっており、担当者は「私たちの役割は安全第一」と強調する。

 県観光振興室の田中達也室長は「一般開放すれば、黒部と立山を周遊できる魅力あるルートになる。関電や関係機関と連携しながら準備を進める」と話す。

 本年度の公募見学会は十一月十三日までの計三十八回で、七〜九月の土、日曜と祝日のうち四日間も初めて実施する。 

 

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