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陛下が彫った茶碗 あった 75年の初来県時 人柄示す山の絵

(上)天皇陛下が1975年の訪問時に山の絵を彫られた抹茶碗を手にする五代光仙の利岡光一郎さん=金沢市野町で(下)三代光仙の政次さんの実演を見学される、若き天皇陛下(当時は浩宮さま、前列左から2人目)=1975年8月、金沢市の九谷光仙窯で

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金沢・九谷光仙窯で保管

 天皇陛下が一九七五(昭和五十)年に石川県内を初めて訪問された際、山の絵を手ずから彫った陶器の抹茶碗(わん)が九谷光仙窯(こうせんがま)(金沢市野町)で保管されていることが分かった。山好きで知られる陛下ならではの絵柄。五代光仙の利岡光一郎(としおかこういちろう)さん(39)は「車窓からご覧になった石川の山並みかもしれません」と想像する。(辻渕智之)

 茶碗は昨年夏、蔵で保管している木箱を開けて確認された。陛下は七五年八月下旬、学習院高等科の地理研究会の研修旅行で来県。光仙窯で三代光仙の故政次(まさじ)さんによるろくろさばきを見学した。その際、ろくろでひいた後のまだ軟らかい粘土状態の器に、この絵を彫った。陛下が一緒に絵付けしたもう一つの九谷焼の抹茶碗はその後、献上されたという。

 絵は、並んだ二つの峰と、その右に少し低い山が描かれている。陛下は当時、十五歳。その味わいを「気取らず、伸びやか。若々しい感じが出ています」と利岡さんはみる。絵の裏側には「浩宮徳仁」の名も記されている。

 利岡さんは「日本の象徴となられるご重責に頭が下がります。この家業を継ぐのに苦しさも感じた自分が恥ずかしくなる。このような器が残っている窯元の歴史を令和の時代、未来につないでいくのが自分に課せられた使命です」と語った。

 

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