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神仏や山麓 希少な図柄 白山曼荼羅 富山初確認

神仏や美濃側の白山麓の寺社、風景が描かれた新発見の白山曼荼羅=富山県南砺市上梨で

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室町後期作 五箇山で11、12日公開

 白山信仰の拠点、岐阜県郡上市白鳥町の長滝白山神社ゆかりの室町時代後期の「白山曼荼羅(はくさんまんだら)」が、富山県・五箇山地方の白山宮(南砺市上梨)そばの旧家から見つかった。調べた帝塚山大の杉崎貴英准教授(日本史)は「白山曼荼羅は神のみが描かれているものが大半で、神仏と一緒に山麓までの景色が描かれているものはなく、貴重な発見」と話している。(山森保)

 八日付で記者発表された。三十三年に一度の例大祭で十一、十二の両日、五箇山の白山宮で公開する。白山曼荼羅はこれまで岐阜、石川、福井の三県の山麓の寺社に鎌倉期から江戸期までの十六点が伝わっている。

 今回の画面は縦百三十九センチ、横四十七センチ。神は仏の化身とする神仏習合の考えに基づき、上段に雪をいただいた白山連峰と、白山姫神(しらやまひめがみ)とその正体(本地仏)である十一面観音をはじめとする神仏が描かれている。

 中央には阿弥陀如来が発する光明を受ける白衣の人物が描かれ、白山に対する浄土信仰がうかがえる。下段には岐阜県郡上市から愛知県春日井市までの美濃側の白山ゆかりの寺社や風景が描かれている。

 裏書に長滝白山神社の隣にあった長滝寺の坊院の初代住職・良信(一四八五〜一五五四年)の名が書かれ、寺に残る古文書から寺に代々受け継がれ、享保十六(一七三一)年まで保存されてきたことが分かった。例大祭に向けた宝物調査で昨年五月に見つかり、寄贈を受けた上梨区が京都の専門家に依頼して修復した。

 杉崎さんは「美濃の白山曼荼羅が富山県内で見つかったのは意外だった。美濃側からどんな経緯で移ったのか、富山県内における白山信仰は研究が進んでおらず、総合的な研究が必要だ」と話している。

研究の基準になる

 立山信仰研究の第一人者で山岳信仰の曼荼羅に詳しい福江充・北陸大教授の話 制作年代がほぼ特定され、今回のものは白山曼荼羅の研究の基準となる。神のみを描いた曼荼羅が大半を占める中、仏と山麓の寺社を描いた参詣曼荼羅の要素があり、興味深い。

 曼荼羅 密教の教典を基に主尊を中心に諸仏の集会(しゅうえ)を描いた図絵。白山曼荼羅は観音と山岳信仰が一体化し、仏法を説く僧・信徒の集まり、法会(ほうえ)で掲げられ、崇拝された。

 

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