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市民への浸透道半ば 加賀市議会改革度全国4位も

県内報酬増額相次ぐ

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 石川県加賀市議会の議員報酬を5万円増やし、48万円にする議案が22日、賛成多数で可決される見通しだ。議会改革の試みが評価され、早稲田大マニフェスト研究所の議会改革度調査で2016、17年度と2年連続で全国4位にランクインし、報酬増の根拠となった。一方、市民に「実感がない」との声も。信頼される議会をどう築くのか−。(小室亜希子)

 「何で全国四位なのか、分からない」。十五日夜、市議会が年四回発行する「議会だより」について市民モニターの提言を聞く会があった。市民四人から議員に耳の痛い声が相次いだ。

 ある男性は一二年に議会が立案した「ポイ捨て防止条例」を挙げ「ポイ捨てはむしろ増えとる」と指摘。「条例をただつくっただけでなく生かして」と注文した。別の男性も一六年に制定した地酒の消費を促す「乾杯条例」の効果が不明だと疑問をぶつけた。議員側は「PRするよう市に再三言ってるのですが…」と苦しい答弁を迫られた。

 議会活性化特別委委員長の稲垣清也副議長(48)は「市が良くなることが大事だし、議会も方向は同じ。だけど結果がすぐ出るわけではない」と悩ましげだ。

 加賀市議会の議会改革は一〇年度、議会が目指すべき姿を定めた「議会基本条例」制定から始まった。きっかけは「議会内の勢力争い」「当時の市長に対抗するため」との声もあるが、「開かれた議会」「市民が参加する議会」を掲げ、政策条例六本を立案し制定。議会活動を検証するPPDCAサイクル導入や小中学校に出向く「議会おでかけ教室」など、毎年新たな試みに取り組む。

 一方、一六年の市民アンケートでは65%が「議会に関心がある」と答え、一三年調査より10ポイント上昇した。全国からの視察は一〇年度の二十六件から一八年度は五十三件に倍増。市内の三温泉での宿泊を条件にしており、一八年度は四百二十五人の誘客に貢献した。

 河村和徳・金沢大法務研究科講師(地方政治論)は「全国的に加賀市の知名度を上げ、頑張るほど温泉地にお金が落ちる取り組みも面白い」と評価。その半面で「市民はよりレベルアップを求めており、報酬増を機にさらに改革を進め、成果をわかりやすく説明する必要がある」と指摘する。

 石川県加賀市議会が議員報酬を四十八万円にする案が提案されているのは、市特別職報酬等審議会の答申を踏まえたものだ。答申は定数削減などに伴い職責が増し、議員のなり手不足を考慮したほか、議会改革の取り組みも評価した。年収は七百十七万円から八百一万円になり、正副議長はさらに高い。

 県内の市議会は、六年前から議員報酬の引き上げが続く。白山市(七万円増の月額五十万円)、七尾市(二万円増の四十万一千円)、野々市市(三万四千円増の三十八万円)、金沢市(三万円増の七十万円)、かほく市(一万八千円増の三十五万五千円)だ。

 加賀市民に表立って反対する動きはないが「増額するなら、議員定数(十八人)を十四、五人まで減らして少数精鋭にすべきだ」(七十歳男性)などの声もある。

 

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