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続く快走 その訳は? 北陸新幹線 あす開業4年

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 北陸新幹線が開業して十四日で丸四年。首都圏と北陸を最速二時間余で結ぶ列車は、北陸の豊かな食文化や観光資源の魅力で国内外の多くの人を引き寄せている。開業当初の一時的なブームにとどまらず、好調を維持しているのはなぜか−。(嶋村光希子)

旅行人気、企業移転…「全てが追い風」

 「すごく早くてびっくり。前に家族と金沢に来た時は車で長時間かかったのに」。金沢駅の改札口前では群馬県から友人と卒業旅行を楽しんだ下城麻莉奈さん(21)が興奮気味に話した。

 国土交通省によると、新幹線の延伸区間の開業直後の利用者数は二〇一五年三月に長野−金沢が開業した北陸は約三千二百万人、一一年に博多−新八代が開業した九州は約千二百万人で、いずれも延伸前の前年度比二・七倍と大きく伸ばした。一〇年に八戸−新青森が開業した東北の一年目は東日本大震災の影響を受けたものの、四年目まで前年超えを維持。延伸区間の違いもあり単純比較はできないが、北陸は「好調」だ。

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“オワコン”覆す

 北陸経済研究所(富山市)の藤沢和弘調査研究部担当部長は「『新幹線はオワコン(終わったコンテンツ)』という考え方を覆したのが北陸新幹線だった」と指摘する。昭和の高度成長期にできた新幹線は人々に余暇の楽しみ方を教えたが、平成に入ると、巨額の費用を投じてつくるインフラは「税金の無駄遣い」と批判された。

 北陸新幹線が開業した一五年は安倍政権の経済政策「アベノミクス」が浸透し、訪日外国人観光客の「爆買い」が広まったころ。北陸新幹線はテレビや雑誌などで集中的に紹介され、注目度が一気に上がった。東日本大震災を機に関東や東海で災害時のリスク分散が重要視され、北陸に工場を移す企業も現れ始めた。こうしたさまざまな要素が重なり、藤沢部長は「全てが追い風になった」とみる。

 新幹線を使った北陸への旅行人気は高く、金沢市中心部の高岡町で十六日にオープンする「ホテルインターゲート金沢」は新天皇即位に伴う十連休はほぼ予約で埋まっているという。周辺ではホテルの建設ラッシュが続き、運営会社の須田貞則社長は「北陸新幹線で東京から金沢を経由し、大阪に向かう経路が確立し、さらに多くの宿泊客を呼び込めそう」と期待する。

敦賀延伸課題も

 最近では信号トラブルなどで運休が相次ぎ、人手不足や観光客による市民生活の圧迫といった課題もあるが、北陸新幹線は四年後の二三年春に福井県敦賀市まで延伸する予定で、名前通り「北陸」新幹線となる。開業効果を持ちこたえさせるには「金沢が独り勝ち」と世間に言わせないよう富山と福井の奮闘が必要になる。藤沢部長は一例として富山の薬の産業観光や、福井の恐竜などの観光資源を磨けば、より大きな集客につながるとみている。

好評だったカニのキャンペーンのポスター=JR東日本提供

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JRポスター効果

 北陸新幹線を運行するJRは好調の理由をどうみているのか。JR西日本金沢支社の担当者は「年間を通した誘客キャンペーンの成果」と語る。JR東日本のキャンペーンはインパクトのあるカニのポスターがインターネットで話題に。JR東西が競い合い「北陸ブーム」をけん引した。

 JR西は「日本の美は、北陸にあり。」とのフレーズで眺めの美しい場所を前面に打ち出した四季折々のポスターでアピールした。

 JR東は「かにを食べに北陸へ。」と銘打って冬季のキャンペーンを首都圏を中心に展開。カニの写真が駅構内や車両をジャックした。JR東日本北陸営業センター(金沢市)の佐々木隆博所長は「奇抜なデザインで多くの方の目に触れてもらえ、一定の宣伝効果を得られた」と手応えを話した。

 

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