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ニュースDe討論

石川県能登町小木中3年  防災の取り組み 地域に広げるには

 新聞記事(しんぶんきじ)を読(よ)んで議論(ぎろん)する「ニュースDe討論(とうろん)」。今回登場(こんかいとうじょう)するのは、防災教育(ぼうさいきょういく)に力を入れている石川県能登(けんのと)町小木中学校(おぎちゅうがっこう)の三年生です。学校で学んだ成果を生かし、地域(ちいき)の人に防災の大切(たいせつ)さを伝(つた)えています。災害(さいがい)やその対策について、どのような考(かんが)えを持(も)っているのでしょうか。

防災の取り組みについて話し合う(左から)板谷海斗さん、安田藍さん、山田樹さん、二又涼乃さん=石川県能登町小木中学校で

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■出席者■

板谷(いたや) 海斗(うみと)さん

二又(ふたまた) 涼乃(りの)さん

安田(やすだ) 藍(あい)さん

山田(やまだ) 樹(たつき)さん

■今回の論点(ろんてん)

・災害(さいがい)が増(ふ)えている現状(げんじょう)をどう考(かんが)えるか

・小木中(おぎちゅう)では防災(ぼうさい)に関(かん)してどのような取(と)り組(く)みを行(おこな)っているか

・防災に取り組む大切(たいせつ)さを地域(ちいき)の人たちにどう伝(つた)えていくべきか

事前の準備が大切

 −温暖化(おんだんか)の影響(えいきょう)で災害(さいがい)が増(ふ)えているという記事(きじ)だ。どんな感想(かんそう)を持(も)ったか。

 板谷(いたや) いまのままでは、多(おお)くの人の命(いのち)が危(あぶ)ないと思(おも)う。万(まん)が一のときにどうやって避難(ひなん)するか、一人一人がよく考(かんが)えるべきだ。

 安田(やすだ) 小木(おぎ)と言(い)えばイカ釣(つ)りだが、不漁(ふりょう)で値段(ねだん)が高(たか)くなっている。これも、温暖化の影響かもしれない。ひとごとではない。

 山田(やまだ) 災害が増えているなら、今以上(いまいじょう)に事前(じぜん)の準備(じゅんび)が大切(たいせつ)だ。災害の規模(きぼ)も大きくなっているので、これまでの経験(けいけん)から「これくらいの台風(たいふう)なら大丈夫(だいじょうぶ)だろう」と考え、避難しないのは危険(きけん)だと思う。

 二又(ふたまた) 六月の山形県沖地震(やまがたけんおきじしん)のとき、能登(のと)に津波注意報(つなみちゅういほう)が出た。おじいちゃんおばあちゃんは「大丈夫だろう」と言っていたが、すぐに避難するように私(わたし)が頑張(がんば)って説得(せっとく)した。避難所(じょ)では、注意報が解除(かいじょ)にならないのに帰宅(きたく)する人が多かったのが気になった。

日ごろから交流深める

−小木中(ちゅう)の生徒(せいと)は地域(ちいき)の防災活動(ぼうさいかつどう)の中心(ちゅうしん)になっている。

 板谷 二〇一四年に学校(がっこう)で作(つく)った「防災体操(たいそう)」を、地域の人に教(おし)えている。「地震だ 地震 頭(あたま)を守(まも)れ ゆれが止(と)まったら まわりを見てね」。こういう歌詞(かし)に沿(そ)って、頭を守るなどの動作(どうさ)をする体操だ。

 安田 学園祭(がくえんさい)では、一年生が防災をテーマにした演劇(えんげき)をするのが伝統(でんとう)。今年(ことし)は人数(にんずう)が少(すく)なくて演劇ができず、動画(どうが)を作った。ユーチューブにアップロードすれば、多くの人に見てもらえると思う。

 山田 中学生(ちゅうがくせい)たちがまず、包帯(ほうたい)の巻(ま)き方(かた)や、エコノミー症候群対策(しょうこうぐんたいさく)のマッサージ方法(ほうほう)、新聞(しんぶん)を使(つか)った紙(かみ)コップやスリッパの作り方を学(まな)んで、防災訓練(くんれん)で地域の人たちに教えた。災害が起(お)きたら、地域のつながりが支(ささ)えになる。小木中では地域のお年寄(としよ)りとグランドゴルフをして親交(しんこう)を深(ふか)めている。

 二又 小木中は、とても挨拶(あいさつ)を重視(じゅうし)している。校門前(こうもんまえ)に立って、あいさつをする。生徒の間(あいだ)だけでなく、地域の人たちにも積極的(せっきょくてき)にあいさつをしている。

「自分だけは大丈夫」が危険

11月6日夕刊三面(ゆうかんさんめん)、記事の一部

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−防災に取り組む大切さをどう伝(つた)えたいか。

 二又 都会(とかい)の人はとくに、近所(きんじょ)との交流(こうりゅう)も少なく、万が一のときに助(たす)け合(あ)うのが難(むずか)しいと思う。行事(ぎょうじ)に出るなどして、地域の絆(きずな)を深めることが大切だ。それと、若(わか)い人に向(む)けて漫画(まんが)で防災のことを発信(はっしん)したら、意識(いしき)を高めるのに効果(こうか)的かもしれない。

 山田 できるかぎり、地域の避難訓練に参加(さんか)することが大事(だいじ)だと思う。地域の人たちとコミュニケーションを深めていくことも大切。僕自身(ぼくじしん)は今、ほとんど関(かか)わる機会(きかい)はないが、体(からだ)の不自由(ふじゆう)な人とも関係(かんけい)を深められればいいと思う。

 安田 災害では想定外(そうていがい)のことが起きると思ってほしい。東北地方(とうほくちほう)には「津波てんでんこ」と言って、「津波の時は一人一人が一目散(いちもくさん)に逃(に)げなさい」という考えがある。津波の危険がある能登では、とても参考(さんこう)になる。

 板谷 山形県沖地震の時、兄(あに)が家(いえ)の外に出ていて、連絡(れんらく)がとれなくて心配(しんぱい)した経験がある。災害時に自分(じぶん)がどこに行(い)くか、家族(かぞく)で決(き)めておくべきだ。非常用(ひじょうよう)持ち出し袋(ぶくろ)の点検(てんけん)や、災害が起きたときの家族の決めごとなど、日頃(ひごろ)から徹底(てってい)しておくことが大事だ。

 【メモ】世界(せかい)の災害(さいがい)「40年(ねん)で倍以上(ばいいじょう)」

地球温暖化(ちきゅうおんだんか)との関連(かんれん)が疑(うたが)われる洪水(こうずい)や火災(かさい)、干(かん)ばつが世界規模(きぼ)で増(ふ)えている。国連防災機関(こくれんぼうさいきかん)(UNDRR)の水鳥真美事務総長特別代表(みずとりまみじむそうちょうとくべつだいひょう)(防災担当(たんとう))は「気候(きこう)関連の災害は過去(かこ)40年で倍以上に増えた」と指摘(してき)。国際(こくさい)機関などによると、深刻(しんこく)な被害(ひがい)をもたらした大規模自然(しぜん)災害は1970年代(ねんだい)まで年100件程度(けんていど)だったが、2000年代以降(いこう)は400件を超(こ)える年が目立つ。温暖化と無関係(むかんけい)とみられる地震(じしん)や火山噴火(かざんふんか)の発生数(はっせいすう)に大きな変化(へんか)はないが、豪雨(ごうう)や洪水、異常高温(いじょうこうおん)は増えており、温暖化が影響(えいきょう)した可能性(かのうせい)が極(きわ)めて高(たか)い。水鳥氏(し)は「気候の緊急事態(きんきゅうじたい)だ。災害リスク低減(ていげん)には気候変動(へんどう)への取(と)り組(く)みが必要(ひつよう)」と強調(きょうちょう)した。

□ 感 想 □

 板谷 地域(ちいき)の人たちに防災(ぼうさい)について関心(かんしん)を持(も)ってもらえるよう、率先(そっせん)して動(うご)きたい。

 二又 みんなの意見(いけん)を聞(き)いて、防災に関(かん)する自分(じぶん)の意見も深(ふか)まった。

 安田 災害時(さいがいじ)には「自分だけは大丈夫(だいじょうぶ)」と思(おも)い込(こ)まないことが大切(たいせつ)だ。

 山田 地域の人たちとのコミュニケーションを大切にして、万(まん)が一の時には積極的(せっきょくてき)に行動(こうどう)する。

◎ 12月15日の「わーくシート」発展問題(はってんもんだい)(3)の答(こた)えは[白えび味(あじ)]です。

 

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