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狙いを聞く

タンク事業・受注拡大 玉田工業 玉田善明社長

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GS用監視実験に参加 

 地下タンク製造の玉田工業(金沢市)は、ガソリンスタンド(GS)の燃料在庫の漏出を監視して土壌汚染を防ぐ業務の一環で、今月から国内大手GS業者が全国で行う実証実験に参加している。自社の監視システムの性能をアピールして普及を図り、主力のGS用タンク製造に依存しない経営体制を整える。玉田善明社長は「三年ほどで『ホップ、ステップ、ジャンプ』して事業を広げる」と語る。(阿部竹虎)

 −GSのタンク監視業務を今後どう展開する。

 「タンクの点検は営業時間外の夜間に行われるのが一般的だ。働き方改革がテーマとなる中、厳しい勤務で若い社員が離れる原因になりかねない。燃料の在庫も合わせて無人で管理する取り組みが業界に広まり、国が補助金を出すようになるのではないか」

 「当社としては監視センターをベトナムに設置して分析業務にあたる可能性もある。一万本のタンクを監視するには二十人ほどの分析官が必要。ベトナムは優秀な理系人材が確保しやすく、日本との時差が二時間しかない。日本から燃料のデータを送れば十分監視できる」

 −主力のタンク製造の取り組みは。

 「関東工場(栃木県鹿沼市)で九日に鉄骨平屋建て、面積約二千平方メートルのタンク製造施設を着工する。九月中に完成し、十月に稼働予定だ。総投資額は五億円。クロムとニッケルの合金によるステンレスタンクを造る」

 「造ったタンクは、茨城県内の食品メーカーの新工場で、素材を蒸したり煮たりする加工に使われる。塗料メーカーからの注文もあり、合わせて約十二億円の受注分を生産する。新しいものづくりに挑戦することで、経営の柱が加わる」

 −大型ビル向けのタンクが好調な背景は。

 「容量六十キロリットル以上の大型タンクの受注は二〇一七年度の十五本から、一八年度は五十八本に増えた。背景に首都圏で進む地震対策がある。ビルでエレベーターが止まったり、水が使えなくなったりするのを防ぐために七十二時間分の自家発電を備える動きが強まり、燃料をためるタンクの需要が拡大している」

 −このほかの展望は。

 「従来は鉄製の家庭用LPガスのタンクを、繊維強化プラスチック(FRP)で製造するための開発を六年ほど続けている。さらに五年ほど続け、国からの認可を得たいと考えている。FRPのタンクは軽く、腐食やさびが発生しないのが特徴。LPガスが広く使われている東南アジアで普及させたい」

 たまだ・よしあき 金沢工業大を卒業後、別の会社を経て1974年に玉田製作所(現玉田工業)に入社。80年に専務に就任し、91年から現職。石川県危険物安全協会や県インテリアデザイン協会の会長も務める。昨年11月に旭日単光章を受章した。趣味は旅行。座右の銘は「日々是好日」。金沢市出身。71歳。

会社メモ

 ガソリン計量機の販売やタンク製作を目的に、玉田氏の父善仁(ぜんじ)氏が1950年に創業。地下に埋設可能なタンクの容量を拡大した消防法改正に対応し、鉄とFRPによる二重殻タンクを94年に発売した。現在、全国約3万カ所のGSの12万本のタンクのうち、約2割が玉田工業製。2013年にベトナムに現地法人を設立。東京電力福島第一原発の事故で出た汚染水をためるタンクを供給した実績もある。18年3月期の売上高は78億4000万円、営業利益は2億円。従業員数は1日現在で270人。

 

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