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狙いを聞く

ITで地域を活性化 レグテック 藪野繁社長

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電子回覧板アプリ運営 

 地域住民向け情報をスマートフォンなどに伝える電子回覧板アプリケーション「結(ゆい)ネット」を運営する金沢市の新会社「レグテック」が先月、業務を始めた。ソフトウエア開発のシーピーユー(同市)の完全子会社だ。レグテックの藪野繁社長は「アプリを通じて地域社会を活性化したい」と語る。(阿部竹虎)

 −子会社化した意味は。

 「シーピーユー在籍時の二〇一六年に結ネットを開発した。シーピーユーは建築業向けソフトウエアが専門。子会社化で結ネットの開発と運営を『本気でやる』という意図が伝わる」

 「スマホは普及が進むが、利用者が使いこなせていない部分もある。無料通信アプリLINE(ライン)などはすでに個人を相手にしたビジネスを確立していて、太刀打ちできない。一方、地域組織は膨大な数があり、スマホを活用したIT化のチャンスがある」

 −シーピーユー時代、石川県野々市市で住民を対象に試験運用した成果は。

 「大雪で通学路に車が立ち往生している情報や、除雪のお願いの連絡を町内会が流していた。結ネットは住民が通知を見たかどうかの確認ができるため、発信者にとって便利だ」

 「小学校に入った新一年生が集団登校する様子を写真に撮り、共有している住民もいた。皆で子どもを大切に育てようということを伝えている。町内会以外の人は見られない仕組みで安心感がある」

 −地域社会の課題は。

 「組織運営のあり方を見直す時期がやってくる。自治体が発信する連絡事項や子ども会の知らせなど、回覧板を通じた情報のやりとりは多岐にわたり、一部の住民がボランティアで担っている側面がある。人口減少で担い手がいなくなれば、地域の活動が消えていく危機感があった」

 −地域社会をどのようにIT化する。

 「若者は地域の小規模店の魅力に気づかず、郊外型の大型店に行ってしまう。アプリを通じて店の特徴を伝えれば、地元での消費を促して活性化につながる。狭いエリアでアプリを活用するのが大事だ。地域の業者が広告媒体として活用し、広告費を得る仕組みができれば、住民側が無料でアプリを利用できる可能性もある」

 「インターネットによる情報基盤があれば多様な発想が生まれる。介護は従来、個人単位で業者からサービスを受けていたが、複数の住民が公民館に集まってサービスを共有する仕組みができるだろう。運送業者の荷物を地域単位で受け取れるような仕組みも生まれるかもしれない」

 やぶの・しげる 立命館大を卒業後、1990年にシーピーユー入社。開発研究室長を経て97年に取締役に就任し、開発部長や新規事業部長を務めた。今年3月末に取締役を退任し、6月1日にレグテックの社長に就いた。趣味は音楽鑑賞、ゴルフなど。座右の銘は「忘己利他」。金沢市出身。56歳。

 会社メモ シーピーユーの完全子会社として2018年6月に設立。資本金1000万円。10月1日に業務を開始した。「結ネット」のほか、外国人観光客対応を支援する自動翻訳機能付きのアプリ「きてねっと」の運営も引き継いだ。シーピーユーは、コンピューター利用設計システム(CAD)や土木工事費の精算用ソフトウエアの開発などを手がける。シーピーユーの従業員数は147人(6月現在)で、18年3月期の売上高は15億円、営業利益は6700万円。レグテック、シーピーユーとも本社は金沢市西泉。

 

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