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狙いを聞く

原点回帰 農家色濃く 金沢大地 井村辰二郎社長

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 農作物加工品製造・販売の金沢大地(だいち)(金沢市)が飲食業に参入した。人気観光地・近江町市場に近い市中心部の尾張町の町家を改修し、ワイン醸造所を併設したフランス料理店を十一日にオープン。井村辰二郎社長は「地域の人に近づいて情報発信したい」と語る。(嶋村光希子)

レストラン事業に参入

 −レストランへのこだわりは。

 「石川県の河北潟干拓地や能登の耕作放棄地で作った自社の有機野菜を中心に、旬の魚や肉の地元食材でコース料理を提供している。有機栽培のカボチャのスープや小麦のパンのほか、マガモなどを季節に応じて出す。土地に根差した豊かな食材を地産地消で楽しんでほしい。一階に設けたワイン醸造所は今月中の稼働を目指して準備を進めている。店名の『ア・ラ・フェルム・ドゥ・シンジロウ』はフランス語で『シンジロウの農場にて』。自分の名前を入れて付けた」

 −ワイン醸造への思いを聞かせてほしい。

 「これまで地元の酒造会社と連携し、有機米で日本酒を造って米国に輸出などをしてきた。ワイン造りにも携わりたいという思いがかねてあった。石川のさまざまな気候や風土のブドウを使い、多様性のあるワインを造ることができれば。街中のワイナリーは全国的にも珍しい。郊外のワイナリーは運転手がいないと楽しめないが、市の中心部で気軽にワインを飲んでほしい。『ベビーワイン』と呼ばれるできたてや、国内だけでなく、海外のワインも用意するので料理との組み合わせも楽しんでもらえたら」

 −開店した理由は。

 「有機農業を進め、有機野菜を加工した製品を製造し、全国に販売網が広がるうちに消費者とつながりにくくなっていることに気付いた。現実味がないというか。もう少し地元密着で、地域の人々と近づきながら情報発信したいという思いから出店を決めた。もう少しローカル色や農家色を濃く出して原点に回帰したい」

 −今後、会社として力を入れたいことは何か。

 「農産物加工品の輸出を強化したい。人口減少で日本国内の市場は縮小し、国産米は余ってくる。米を作り続けるにはマーケットが必要。三十〜五十年後のためにも準備したい」

 いむら・しんじろう 明治大農学部農学科卒業後、金沢市内の広告代理店に勤務。1997年に脱サラして就農した。金沢大地のほか、グループのアジア農業(石川県能登町)と金沢ワイナリーの社長、農業法人の金沢農業(金沢市)の代表を務める。趣味は料理とギター。金沢市出身。54歳。

 会社メモ 2002年に設立。有機農産物の仕入れ、加工、販売などを手掛ける。企業理念は「千年産業を目指して」。17年4月にワイン醸造の金沢ワイナリー(金沢市)を設立した。グループ全体の従業員数は約40人。資本金は2400万円。売上高は非公表。本社は金沢市八田町東。

 

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