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狙いを聞く

BC技術の実用化を 富山第一銀行 横田格頭取

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フィンテック部署1年 

 富山第一銀行(富山市)がITと金融を融合した「フィンテック」の専任部署「デジタルイノベーション室」を設置して十日で丸一年。仮想通貨に使われるブロックチェーン(BC)技術の研究など取り組みの幅を広げている。横田格頭取は「銀行の秩序正しい仕事を壊してほしい」と、過激な言葉で期待する。(中平雄大)

 −取り組みの手応えは。

 「一生懸命やっている。あと十年もしたら、スマートフォンで育った世代が社会の中心になる。イノベーション(技術革新)が進む中で銀行業のありさまはガラガラと変わってくる。顧客の生活の変化に合わせていくしかない。第一集団とまではいかないが、近いところで何とか歯を食いしばってしがみつく」

 −定型作業の自動化など働き方改革にもつなげている。

 「銀行は伝統的に決まった仕事を決まったように、十人いたら十人が同じ事をする。イノベーションから遠い世界で生きてきた。だから今、苦しんでいる。働き方改革でコストを下げたいのではなく、人間の付加価値を最大限発揮したい。デジタルイノベーション室には銀行の中で秩序正しくやってきた仕事を全部ぶち壊してほしい。銀行は何をしたらいいのか。銀行で働くことの喜びは何か。その答えが出てくることを期待している。成果や業績という意味ではまだまだ。頭取の私から言われてやってるようではそもそもイノベーションではない」

 −BC技術で実証実験をした。

 「富山県内を基盤とするBCの仕組みの提供者になり得るのは誰かという研究をかなり熱心に始めた。ビジネスになる時には担い手や仕組みづくり、妥当な運営コストという点が勝負どころになる。県内の実力企業と手を組みながら富山の中でBC技術を実用化させたい。例えば富山の学生たちが使う仮想通貨とか、いろんなことができる。実験では誰が関心を持っているのか把握できた。今後は実践へ踏み込む」

 「外国や他の業種は既に仮想通貨が実用化し、日本の金融界は世界の潮流から遅れている。富山の中でモデルを作りたい。日本全体で何かが動きだす時に『富山にこんなモデルが既にあって、つなげることができる』と伝えられる。やらないと、ものになるかさえ分からない。始める時の苦しみが分かると、流れに追随する場合でも先頭を走っている人の気持ちが分かる。分からないと、ただ右往左往するだけだ」

 よこた・いたる 慶応義塾大卒業後、1972年に日本銀行入行。発券局長、名古屋支店長などを歴任した。退行後の2008年に富山第一銀行常勤顧問に就任し、副頭取兼リスク統括部長を経て10年から現職。座右の銘は「自然体」。横浜市出身。69歳。

 ブロックチェーン 仮想通貨の基礎となる技術で、分散型台帳とも呼ばれる。インターネット上の多数の参加者が取引記録を共有・監視し合うことでデータの改ざんが困難になる。通貨以外でもさまざまな分野で応用が注目されている。富山第一銀行は昨年10月に富山市内で開かれた見本市で、出展企業と来場者との間で仮想通貨を流通させる実証実験をした。

会社メモ

 1944年に富山合同無尽として設立し、51年に富山相互銀行。89年に普通銀行に移行し、富山第一銀行となる。2016年に東証1部に上場した。18年3月期単体のコア業務純益(本業のもうけ)は49億2300万円、経常利益は74億3000万円、純利益は52億5400万円。本店は富山市西町。

 

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