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コラム 風紋

赤い旗

 ふと前を向いて、ぎょっとした。

 支局近くの裏通りは、宅地の合間に田畑がある。よく知った道だ。先日、歩いていると、真っ赤な旗が目に飛び込んできた。

 九年前のあの時。似たような赤い旗が、取材先のあちこちにあった。崩れた家やビル、港では海中にさえも。聞くと、まだ収容できないご遺体がある目印だった。東日本大震災から一カ月半。あまりの多さに動けなくなった。その記憶がよみがえった。

 小松の赤い旗は、園芸用の棒に付いている。降雪で脱輪しない心配りなのだろう。その温かさと、つらい思いがないまぜになった。 (小松支局・浅野宮宏)

 

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