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コラム 風紋

疑似環境

 学生時代に授業で読んだ本で、米国のジャーナリスト、W・リップマン著「世論」だけは覚えている。冒頭の挿話が有名だ。

 一九一四年、郵便船が隔月に来る孤島に英仏独の住人が暮らしていた。電話もない環境だ。頼りの船便が遅れた。住民を敵、味方に分けることになる第一次大戦が勃発しても、彼らは知らなかった。船が着き、初めて戦争という事実に直面した。

 日韓の政府がいがみ合う中で、北陸でも韓国と人の往来は続く。政治対立なんて、いっそ知らないふりはできないか。住民同士はこれまで通りの世界で生きる。船便が着く前のように。(編集局次長・松井学)

 

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