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北陸文化

「渋い作家」像 変わる 「犀星スタイル」原画展 金沢・室生犀星記念館

室生洲々子さん、武藤良子さん、宇田智子さん

犀星の暮らしや人柄について語り合う(左から)孫の室生洲々子さん、武藤良子さん、宇田智子さん=金沢市千日町の室生犀星記念館で

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 金沢市千日町の室生犀星記念館で開かれている「犀星スタイル 武藤良子原画展」では、室生家の料理のレシピ集「をみなごのための室生家の料理集」、犀星と娘の室生朝子の文章で暮らしぶりやこだわりを紹介した「犀星スタイル」(ともに亀鳴屋)に挿絵を寄せたイラストレーター武藤良子さんの原画を遺品とともに展示する。ユニークなイラストは、「渋い作家」という従来の犀星のイメージを変えるきっかけになりそう。

 先月三十日、名誉館長で孫の室生洲々子さん、武藤さん、那覇市で古書店「市場の古本屋ウララ」を営む宇田智子さんが、犀星の人柄や生活の様子などを語り合った。武藤さんは宇田さんがジュンク堂池袋店で務めていた当時の同僚で、「学生時代から犀星はアイドル」という犀星文学好きでもある。

(左)いわし (右)たばこ

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 洲々子さんが「女性ファンは多いけれど、若い人に『アイドル』なんて言われるのはちょっとびっくり」というと、宇田さんは「犀星の文章はぐにゃぐにゃして、主語があっちいったりこっちいったりするけれど、言葉にできないようなことを必死に書こうとしたのかなと。女性のこと、生活のことを何でも書く人で、生まれた場所を見てみたい作家ってあんまりいない」と魅力を語った。

 「犀星スタイル」にはタータンチェックの毛布が描かれ、実物も展示されている。洲々子さんは「晩年にがんで入院した時、味気ないソファに敷いたら部屋が華やぐだろうということだったよう。円地文子さんが見舞いに来るという時には、買ってこさせたガウン来て。ひとえに女性にもてたいんじゃないか」と明かした。

(左)ぶた (右)虫籠

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 軽井沢の家では、好きな女性のために家に誰もいなくなった時の合図として白い旗を掲げたり、電話嫌いで、大相撲を見るためのテレビ以外は亡くなるまで電化製品がなかったというエピソードも。「渋いおじいさんかと思ったら、いい意味でイメージが崩れた」と武藤さん。洲々子さんは「亡くなるまで、活発で、すっ飛んだ人なんだよというのを分かってほしくて、二冊の本を出した。これをきっかけに、作品も違った読み方ができるかも」と話した。

 原画展は来年三月八日まで。武藤さんによるTシャツ、トートバックなどのオリジナルグッズも販売している。

 

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