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北陸文化

【写真】 六田知弘さん 英の巨石文化との対話

写真展「石の聲」 金沢のギャラリー

「石を見ていると音が鳴っているようだった」と語る六田知弘さん=金沢市本町のギャラリー「玄羅」で

写真

 国内外の自然や寺院、仏像などに宿る深い精神性を写真で表現する写真家六田(むだ)知弘さんの「写真家 六田知弘展 石の聲(こえ)」が、金沢市本町のギャラリー「玄羅」で開かれている。英国の巨石文化の風景を撮影したモノクロ作品を紹介する。

 欧州には、英国のスコットランド、イングランド南部、ウェールズ、フランスのブルターニュ地方やポルトガルなどに巨石文化の遺跡が点在。できたのは紀元前数千年前とされる。

 六田さんは、欧州各地でさまざまな写真を撮影する中、二〇一二年のスコットランドで初めて巨石に触れた。何もない荒野にただ並べられた巨大な自然石の風景に魅せられ、イングランド南部を中心に毎年のように撮影に訪れているという。今回は一二〜一七年に撮影した中から十数点を展示する。

 荒涼とした風景の中に、数メートルの巨大な自然石の柱が一本屹立(きつりつ)していたり、円形に並べられたり、等間隔で数百メートルもの石列を作っていたり。「何のためにできたのかは分かっていないが、宇宙と精神的な交信をするためのアンテナ、装置のようなものとして考えられたのではないか」と、六田さんは想像をめぐらす。

 何もない、めったに人が訪れないような場所。「一人でいると、例えば一本の石柱なら『シャー』とか、ストーン・サークルなら『ブォーン』というような音が鳴っているように感じられる。まるで宇宙の波動を感じて震えているように」。方向感覚を失うほどの深い霧の中に石柱が浮かび上がる風景は幻想的だ。

 六田さんは一九五六年、奈良県生まれ。早大卒業後、ネパールのヒマラヤ山中のシェルパ村に暮らして撮影した作品で写真家として出発。欧州の教会や修道院のロマネスク美術、中国の「雲崗石窟(うんこうせっくつ)」、国内の仏像などを撮影してきた。「被写体そのものというより、それが発しているものを記録している。見る人がそれに共鳴してくれれば」と話す。

 金沢での個展は今回が三回目。北陸中日新聞後援。二十六日まで。水、木曜日休み。(松岡等)

 

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