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北陸文化

【美術工芸】日本の現代工芸 香港で発信

イセ文化財団 所蔵品展示シンポも

シンポジウムであいさつする伊勢彦信氏(中央)=香港大美術博物館で(イセ文化財団提供)

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 美術工芸品のコレクターとして知られる伊勢彦信氏(イセ食品グループ会長)が代表理事を務める「イセ文化財団」(東京・千代田区)は、香港大美術博物館で日本の現代工芸品を紹介する展覧会を開催している。このほど同館でシンポジウムが開かれ、出品している金工作家釋永維(しゃくながゆい)さん(富山県立山町)らがパネリストを務めた。(山本義之)

約80点を紹介

 展覧会のタイトルは「生まれ変わる伝統 イセ・コレクション所蔵・現代日本の工芸品」。陶器、織物、漆器、金属細工、ガラス細工、木工品など約八十点を紹介している。シンポは日本の工芸作家が創作活動について語ることで日本工芸の技術をPRし、香港との文化交流も深める目的で開かれた。

 釋永さんの作品は壁面の立体で、タイトルは「鼓動」(縦七十センチ、横六十センチ)。銅版に無数の穴を開けて鍛金し、有機的なリズムと緊張感を表現したという。シンポでは「自然の美しさからひらめきを得て作品に反映している」と作風を紹介。会場からの質問には「金属は強い。ガラスや陶芸のように割れないところも魅力の一つ」と答えた。

 また「伊勢氏にとってアートとは?」との質問もあり、伊勢氏は「アートは人間のゴールだと思う。私と家族の楽しみのためのコレクション」とした。さらに「日本の現代工芸は素晴らしい作品が多い。香港の方に関心を持っていただき感謝する。香港のアート界が盛り上がるよう支援を続ける」と述べた。

 シンポではガラス作家の西中千人(ゆきと)さん(千葉県)や香港のアーティストもパネリストを務めた。同展は十一月三日まで。

出品した富山の釋永さん

思う方向へ進み その先を見たい

シンポジウムで発表した釋永維さんと出品作の「鼓動」=香港大美術博物館で(釋永さん提供)

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 釋永さんに同展とシンポ参加の感想を聞いた。

 −海外展での経験は。

 「こうした企画展は初めて。制作活動を発表するにあたり、金工の歴史や自身のルーツを振り返りながら準備した」

 −質問も多かったようですね。

 「活動で直面する問題、作品はアートとして飾られるのか、工芸品として置かれるのか、作品と製品の違いは−など多岐にわたった。日ごろ自分が考えていることと共通していた。表現の世界は自由で受容力が広いと感じた」

 −この経験を制作活動にどう生かしますか。

 「このまま自分の思う方向へ突き進み、その先を見たい。作品を通していろんな人に出会い、その国や地域の文化を知りたいと改めて思った」

 

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