トップ > 北陸中日新聞から > 北陸文化 > 記事一覧 > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

北陸文化

【舞台】賢治の詩と災害の記憶 劇団 新人類人猿 19、20日金沢公演

災害の記憶と宮沢賢治の詩を重ねる舞台「人や銀河や修羅や海胆は」の稽古をする劇団新人類人猿のメンバー=金沢市大和町の市民芸術村で

写真

 金沢市を拠点にする劇団新人類人猿が、宮沢賢治の詩を相次ぐ災害の記憶に重ねた舞台「人や銀河や修羅や海胆(うに)は」を十九、二十日に同市大和町の市民芸術村で上演する。主宰する演出家の若山知良さん(67)は「自然への畏怖を含め、被災地に思いをはせてもらえれば」と話す。

 劇団は一九八六年に旗揚げ。台本によるせりふに頼らず、身体表現をメインにした舞台を続ける。二〇一二年には東日本大震災と原発事故をテーマに据えた「制御不能」を上演し、一七年からは賢治の詩を重ねた舞台に取り組む。

 今回のタイトルは「春と修羅」の「序」の詩句から。昨年、仙台市で上演し、構成や演出を練り直した。若山さんは「東日本大震災以降も各地で地震や大雨、台風災害が続いている。自然への畏怖も含めて表現したい」と語る。

 舞台では男女五人の俳優が、賢治の詩句の断片を語りながら時に激しく、時にスローモーションのように動く。詩句と体の動きが災害の記憶を呼び起こすかのようだ。「阪神大震災の一カ月後に被災地に入った時の、平衡感覚を失い、自分が立っているのかも分からなくなるようだった」という若山さん。その現場の感覚が演出の肝になった。

 震災後は毎年、仙台にも赴く。復興が叫ばれるが、若山さんは「実は何も終わっていない。けろっとしたような笑顔を見せている人も、やはり表面上のこと。少し話せば心の中にある傷があることは分かるし、涙をぽろぽろ流す人もいる」という。

 せりふを使わないのには、「当事者ではない僕たちが言葉にするとうそが出てしまう」という思いもある。「受け取り方は見る人で違っていい。舞台で感じたことから、自分の中に物語をつくってもらえたら」

 公演は十九日午後二時からと午後七時から、二十日午後一時からの三回。前売り一般二千円、二十五歳以下千円(当日はともに五百円増)。十一月十六、十七日に大阪市、同月二十三、二十四日に名古屋市でも上演する。(問)劇団新人類人猿080(6234)8204(松岡等)

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索