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北陸文化

【美術 個展】金属の質感 息づく都市 金沢21美アペルトシリーズ

久野彩子さん「都市のメタモルフォーゼ」

金属によって緻密に都市空間を表現する久野彩子さん=金沢21世紀美術館で

写真

 人工的で無機質でありながら、日々、変容していく都市の姿を、金属独特の質感と緻密で高密度の造形によって表現する金属造形作家・久野(くの)彩子さん(36)の個展「都市のメタモルフォーゼ」が金沢21世紀美術館で開かれている。

 くすんだ色合いの真ちゅうを使った硬質な金属の質感で、密集したビル群や鉄道、道路網を表現する。レインボーブリッジから見た東京のパノラマ風景を幅4メートル超の大きさで壁面に現したり、中心の底からビル群が広がって伸びる様子を半球体の立体で表現したり、独特の視点で都市を再構成する。47都道府県のすべての形を一つずつ俯瞰(ふかん)して表現した新作も。

 久野さんは1983年東京都生まれ。武蔵野美術大工業デザイン科金工専攻卒、東京芸術大大学院美術研究科工芸専攻(鋳金)修士課程修了。制作には、ろうを使って型を作り、溶かした金属を流し込むロストワックスという鋳造技法を用いる。伝統的な技法が生んだ緻密さが、現代的な表現をもたらしているところに独自性がある。

 生まれ育った東京という都市空間を「常に動いているように感じている」という久野さん。作品からは、創造と破壊を繰り返す「都市」の生命感も感じさせる。

 新鋭作家を紹介する21美のアペルトシリーズの一環。23日まで。無料。(松岡等)

 

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