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北陸文化

【バン記者・樋口薫の棋界見て歩き】(11)王位戦の楽しみ方をご紹介

生の表情 現地ならでは

 第六十期の節目となる王位戦七番勝負(本紙主催)が七月三、四日に開幕しました。次世代の旗手、豊島(とよしま)将之王位(29)=名人=に、初タイトルを目指すベテランの木村一基九段(46)が挑む戦いは、第四局を終えて二勝二敗のタイ。今回は現地に行っても自宅にいながらでも満喫できる「王位戦の楽しみ方」をご紹介します。

平成生まれで初の名人になるなど、充実著しい豊島将之王位=名古屋市中区の中日新聞社で

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 名古屋市のホテルで開かれた第一局前夜祭。記者は一心不乱にカメラのシャッターを切り続けていました。百数十人の一般客が詰めかける盛況ぶりで、両対局者との記念写真を求める大行列ができ、撮影役を仰せつかったのです。

 地元・愛知県一宮市出身の豊島王位の方がファンは多いかと思いきや、解説でのユーモラスな語り口が人気の木村九段も、列の長さでは負けていません。“前哨戦”は両雄譲らず、といったところでしょうか。

 一夜明けて第一局が始まりました。対局場は、美しい日本庭園のある老舗料亭「か茂免(もめ)」。豊島王位も「名古屋の中心部に、こんな風情のある場所があるとは」と驚いていました。立会人は、藤井聡太七段(17)の師匠で市内在住の杉本昌隆八段(50)が担当。「木村九段は久しぶりの挑戦で『今度こそは』という思いが伝わってきた。豊島王位は指し手のスピードが速い。以前は慎重派だったが、決断力が良くなった」と対局を見守ります。

「ベテランの星」として初タイトルを目指す木村一基九段=名古屋市中区の中日新聞社で

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 盤上では、先手の豊島王位が後手陣に激しく攻めかかり、のっぴきならない局面で二日目を迎えました。対局によって大盤解説会が開かれることがあり、今回は対局場から少し離れた中日新聞本社で。注目は「次の一手クイズ」。対局で次に指される手を予想し、当たった人には棋士の直筆色紙や将棋本など、豪華賞品が手渡されます。

 苦境が続いていた木村九段ですが、八時間の持ち時間を使い切るまで考え、午後三時四十三分に投了。すぐに二人は車で解説会場へ移動し、大勢のファンの前で対局を振り返りました。快勝した豊島王位は「積極的に指して良い方向にいけた」と語り、王者の貫禄を感じさせました。やはり両対局者の生の表情を見られるのが現地観戦の醍醐味(だいごみ)です。

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 七月三十、三十一日に札幌市で指された第二局は、東京でネット観戦しました。今回の王位戦はニコニコ生放送(ニコ生)とアベマTV(ティーヴィー)の二媒体で動画中継されています。見どころは何といっても、プロ棋士による丁寧な解説。二日目午前には豊島王位が一時間五十三分の大長考に沈む場面もあり、その間には将棋界のこぼれ話なども聞け、視聴者を飽きさせません。

 各番組には独自の特色もあります。ニコ生は将棋ソフトの判定で、どちらが優勢か数値化してくれます。アベマTVは出演者の人数が多く、交代でいろんな棋士が見られます。好みの番組を選んで観戦できるとは、ぜいたくな時代になったと実感します。棋譜や控室の様子も「王位戦中継サイト」(http://live.shogi.or.jp/oui/)で確認できます。

【お断り】 八月三十一日の北陸文化面は休みます。

*この欄は、「番記者」ならぬ、盤上で戦う囲碁・将棋の世界「棋界」の「バン(盤)記者」がお届けします。

 

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