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北陸文化

【雨乃日珈琲店だより ソウル・弘大の街角から】(17) ふらり立ち寄れる店に

増える日本人観光客

いま弘大で話題の店は、台湾のタピオカミルクティーの人気店。日本にはまだないブランドのため、日本の観光客も集まる=ソウル市で

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 韓国を訪れる日本人観光客の増加が著しい。二〇一五年以降は増加の一方であり、一八年は前年比27・6%増の約二百九十五万人の日本人が韓国を訪れた(韓国観光公社発表)。もともと外国人観光客の多い弘大の中心部はもちろん、地元民しかいなかった弘大郊外エリアでも日本人の姿をよく見かけるようになった。

 Kポップの影響だろう、若い旅行者が多いのも特徴的だ。五年ほど前までは、服装を見れば遠くからでも日本人と分かったものだが、最近は韓国的ファッションの日本人も多く、すれ違いざまに彼らの日本語を聞くまで全く区別がつかなかったりする。

 ゴールデンウイーク期間、当店にも多くの日本人旅行者が訪れてくれた。理由はそれぞれだ。雑誌や本で紹介されていたから、カフェに興味があるから、インディー音楽に興味があるから(当店では時々ライブが行われCDも売っている)、などなど。弘大のライブ情報や近所の美味(おい)しいお店など、必要な方には情報をお伝えしたりもする。質問してもらえるのは私たちも嬉(うれ)しい。

「三天志リソ」(2013年)。柳宗悦『心偈』から「見テ知リソ知リテナ見ソ」の一節。「見てから知れ、知ってから見るな」という意味

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 情報があふれる昨今は、旅行客の方が最新事情に詳しい場合も多く、こちらが教わることも度々だが、ネットで得た情報をなぞるだけでスケジュールが一杯になっている人も少なくない。一方で「前を通りがかって気になって入ったんですけど、日本人のお店だったんですね」と話してくれる日本人のお客さまもいて、そんな偶然の出会いを楽しむ旅のスタイルに、個人的にはシンパシーを感じてしまう。

 私も海外旅行の際には、日本人がやっている空間に大変お世話になった。バンコクの「ブルースバー」、シェムリアップの居酒屋「横浜」、エレバンのうどん屋「櫻田」に立ち寄り、店主や常連客から臨場感ある話を聞いて現地での暮らしを想像したり、実際にその場所を訪れたりと、旅行前には想像できなかった刺激的な体験をすることができた。

 当店も、旅人たちがふらっと立ち寄る峠の茶屋みたいな場所になれたらいいなと思っている。 (しみず・ひろゆき=ライター、いけだ・あさこ=金沢市出身、書家)

 

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