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北陸文化

【本】堀田善衛と「乱世」読み解いた労作 水溜真由美さん出版

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 戦後派文学を代表する作家の一人・堀田善衛(富山県高岡市出身、一九一八〜九八年)の作品を読み解く「堀田善衛 乱世を生きる」(ナカニシヤ出版)=写真=が出版された。著者は水溜真由美北海道大准教授。

 東日本大震災による福島第一原発事故を契機に本格的に堀田文学に取り組んだという著者が、作品を網羅的に読み込み、「乱世を生き、乱世を描き、乱世を思考した作家・思想家として再評価」を目指した労作。

 朝鮮戦争を描いた「広場の孤独」、広島の原爆がテーマの「審判」、南京虐殺を中国人の視点で書いた「時間」などを軸にして、堀田が乱世をどう描いたかを分析。「方丈記私記」と「定家明月記私抄」の比較や、「ゴヤ」「ミシェル 城館の人」など、実在の人物をテーマにしたエッセーや評伝からは、乱世における堀田の考えた知識人像を提示した。その上で、アジア・アフリカ作家会議への参加など、一人の知識人としての堀田の行動、発言についても考察している。

 水溜准教授の専門は近現代思想史。ほかに「『サークル村』と森崎和江−交流と連帯のヴィジョン」(ナカニシヤ出版)、共編著「カルチュラル・ポリティクス 1960/70」(せりか書房)。

 四百四十八ページ。三千八百円(税別)。 (松岡等)

 

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