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北陸文化

【能楽おもしろ鑑賞法】30 能「加茂」 登場の囃子 聞き比べよう

神体の白羽の矢を立てた加茂社で、水を供え参拝する里の女=2008年4月13日、石川県立能楽堂で

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 神社やお寺の由緒を題材にした能は多い。その一つ「加茂」が金沢能楽会の六月定例能で上演される。脇能(神能)の位置づけで神々しい雰囲気を味わう曲だが、今回は各役者の登場に着目し、魅力を探ろう。

 まず粗筋。加茂社(上賀茂神社?)を訪れた播州(兵庫県)の神主(ワキ、ワキヅレ)。里の女(前シテ、ツレ)から神社の由来を聞くが、女は、自分は神だと告げて消える。末社の神(間(あい)狂言)が再度、神社の起こりを語る。すると、主神である天女(御祖神(みおやのかみ)、後ツレ)と別雷神(わけいかずちのかみ)(後シテ)が現れ、神徳と威光を示す。

 さて登場だが、ワキ、ワキヅレは「大臣ノ次第」という囃子(はやし)で出る。出てすぐ両腕を広げ、ぐっと背伸びをして威厳を表し、舞台に入ると足早に先端まで進む。自意識過剰の男たちか?

 前シテ、ツレは「真ノ一声」という荘重な囃子で静かに歩む。若い女ながら、神の気配が漂う。

 面白いのが末社の神。前シテが厳かな「来序(らいじょ)」で幕に入ると、囃子はホワホワした調子に急転し、狂言の軽みに満たされる。「三段ノ舞」も舞うが、これもホワホワ。楽しい。

 気分が改まって、後ツレが「出端(では)」の囃子で現れる。いろんな役に使われる曲だが、ここでは天女の品格で演奏。そして後シテ登場。「早笛」のさっそうとした演奏が、雷神の勢いを感じさせてくれる。

 登場の囃子は面白い。ご注耳(?)を。(笛)

◇六月定例能番組(6月2日午後1時、石川県立能楽堂)

 ▽能「加茂」(シテ木谷哲也)

 ▽仕舞「草紙洗」(シテ藪俊彦)

 ▽狂言「雷」(シテ炭光太郎)

 ▽能「歌占」(シテ渡辺茂人)

 ▽入場料=一般2500円(当日3000円)若者割(三十歳未満、当日のみ)1000円、中学生以下無料、(問)同能楽堂=電076(264)2598

 ※能楽堂の駐車場は工事中。石引駐車場を使えば駐車券がもらえる

 

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