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北陸文化

【コミュニティシネマ 街中銀幕から】 連休に休むこと

 「ゴールデンウィーク」という言葉は、五月の大型連休が稼ぎ時だと日本の映画会社が考えた宣伝用語だ。今年は十連休にもなるということで、観光や娯楽、イベントに携わる業種は書き入れ時だ。

 当館では、生誕百周年を迎える作家サリンジャーの伝記映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』と、海辺の小さな町で書店を開こうと奮闘する未亡人の姿を描いた『マイ・ブックショップ』の二作品と、二〇一一年に六十九人もが犠牲となったノルウェーの銃乱射事件を七十二分ワンカットで描いた『ウトヤ島、7月22日』、生まれながらに全盲でジャッキー・チェンの大ファンである男性が近未来SFアクション映画を作ろうと奮闘する様子を描いたドキュメンタリー『ナイトクルージング』、恐怖動画を配信するユーチューバーが、心霊スポットの廃病院で怪現象に襲われるホラー映画『コンジアム』と、一風変わった作品を上映する。

 連休は日頃と違うお客さんに映画館に足を運んでもらうチャンスだ。各作品が、それぞれ幅広い層に楽しんでもらえるような番組だと思っている。

 読書好きで連休も静かに過ごしたいという人たちには『ライ麦畑』や『マイ・ブックショップ』がぴったりだし、刺激的で一風変わった映画が見たいという人たちには『ウトヤ島』や『ナイトクルージング』は、忘れられない作品となるだろう。自分で動画制作や投稿をしている動画配信者が身近な若者たちには、『コンジアム』の映像や音響の技術は面白いと思う。

 お客さんや仕事先で、スケジュールが本当にいっぱいとよく聞く。連休はもちろん、平時にも毎週末ごとに予定が詰まっているという人たちが多い。休日にもイベントが各地で行われ、知人、友人がSNSがイベントを勧めてくる。休日に「休むこと」をなかなか許してもらえないような人が増えている気がする。

 せっかくの十連休、一日くらいは何も予定を入れていない、そんな日はどうだろう。ひとりでふらっと街に出て、喫茶店に入ってぼうっとしたり本屋や洋服屋に入ってみたり、たまたまやっていた映画を観たり、下調べせず、成り行きに任せてふわふわとした一日を過ごすことは、貴重で、贅沢な時間の使い方になっているのかもしれない。 (シネモンド支配人・上野克)

 

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