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北陸文化

【バン記者・樋口薫の将棋見て歩き】 (10)「ペア碁」選手権を観戦!

真剣勝負に臨む向井千瑛五段・伊田篤史八段ペア(左)と加藤啓子六段・井山裕太五冠ペア。観客に交じって取材しているのは樋口記者

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4人が碁盤囲む姿 新鮮

 「ペア碁」をご存じでしょうか。男女が二人一組になって交互に打つ囲碁のことで、日本発祥の競技です。二月九日に東京・市ケ谷の日本棋院で開幕した「プロ棋士ペア碁選手権二〇一九」(日本ペア碁協会主催)では、国内のトップ棋士十六組が一堂に会し、約五百人の観客の前で熱戦を繰り広げました。準決勝までが行われた大会第一日の模様をリポートします。

 開会式は圧巻でした。囲碁界の第一人者の井山裕太五冠(29)、張栩(ちょうう)名人(39)、許家元(きょかげん)碁聖(21)の七大タイトルの全保持者に加え、新鋭の芝野虎丸七段(19)から大ベテランの趙治勲(ちょうちくん)名誉名人(62)まで、囲碁界のスターが勢ぞろい。

 女性陣も第四十五期天元戦で女性初の本戦勝利を挙げた藤沢里菜女流三冠(20)、史上最年少で女流タイトルを獲得した上野愛咲美(あさみ)女流棋聖(17)ら、豪華すぎる顔ぶれです。審判長の大竹英雄名誉碁聖(76)は「これだけの棋士を見るだけで今日来た皆さんは強くなれる」と太鼓判を押します。

 一回戦八局が同時にスタート。全局が公開対局で、別室では大盤解説も開かれており、どこを見ればいいか目移りしてしまいます。一手三十秒の早碁で、目まぐるしく手番が入れ替わり、はたから見ていると打つ順番を勘違いしてしまいそう(もし間違えればペナルティーが科されます)。

 普段観戦するのは一対一の対局なので、四人が真剣な表情で碁盤を囲む姿は新鮮です。

 波乱が起きたのは二回戦。前回優勝の加藤啓子六段(40)・井山五冠ペア(ペア名はレディーファーストで女性を先に呼びます)が敗れたのです。金星を挙げたのは、向井千瑛(ちあき)五段(31)と伊田篤史八段(24)のペア。中部ナンバーワンの王冠位を保持する伊田八段は「個人では井山さんになかなか勝てないが、今日は向井さんのおかげで勝てました」と喜びの表情です。

 ペア碁は相談が厳禁なので、打ち手からパートナーの意図を理解し、時にはミスをカバーする必要があります。棋力のみならず、チームワークも重要になるのが醍醐味(だいごみ)です。七大タイトルの棋聖戦に挑戦中のトップ棋士、山下敬吾九段(40)は自らのミスが響いて二回戦敗退。パートナーの鈴木歩七段(35)に「ご迷惑をお掛けしました」と平謝りしていました。

 準決勝で向井・伊田ペアを破り、決勝進出を決めたのが藤沢女流三冠と一力遼(いちりきりょう)八段(21)の若手強豪ペアです。「打ちながらだんだん息が合ってきた」。

 もう一組は大沢奈留美四段(42)と許碁聖のペア。本大会で優勝一回、準優勝二回と経験豊富な大沢四段が「許さんは包容力がありました」とパートナーを立てると、初出場の許碁聖は「大沢さんは慣れていて心強かった」と返すなど、相性の良さが伝わりました。

 三月三日の決勝では藤沢女流三冠と一力八段が優勝を飾りました。

*この欄は、「番記者」ならぬ、盤上で戦う囲碁・将棋の世界「棋界」の「バン(盤)記者」がお届けします。

 

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