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北陸文化

【雨乃日珈琲店だより ソウル・弘大の街角から】(9) 変わる街並み

「18−6」(2018年)

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名物おじさんはどこへ

 弘大前の街並みは、すごいスピードで変化している。普通に営業していた店が、一週間後には別の店として営業を開始していることはざら。知らぬ間に新しい建物がバンバン建ち、この街に住んでいる私たちも、たまに違う道を歩くだけで見なれない街並みに遭遇し、ひどく驚かされる。

 最新の話題と言えば、地下鉄駅の上に建設していた十六階建てのショッピングモール「AK&弘大店」が、八月末にオープンしたことだ。韓国でも人気の「無印良品」を始め、ファッションブランドや飲食店、そしてホテルが入店している。北海道のチーズケーキ店「ルタオ」や、パスタチェーン店「洋麺屋五右衛門」など日本で見知ったお店が並んでいるのに驚いたが、もっと驚いたのが「GU#」というファッション店。ユニクロ系列のブランド「GU」が今年秋に韓国上陸することは以前から話題となっており、それがここだったのかと思い行ってみたら、似たロゴを掲げる違う店だった。時期といい看板といい、非常にまぎらわしい(と思った韓国人も多いという)。

名物おじさんの家=ソウル市内で

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 できたばかりのスポットということで、新しモノ好きの韓国人でにぎわっているが、店舗は五階までと規模はそれほど大きくなく、差別化する何かがあるわけでもなく、似たようなショッピングモールなら弘大駅前に既にいくつかあるのに…というのが私の正直な感想だ。そうしたモールは、オープン当初は人が多くても、数年たてば訪問客も減り空き店舗も増えていく。

 このビルができたことで街の風景も一気に変わった。以前青空が広がっていた場所には、今や無機質な壁が広がっている。それが一概に悪いとは言えず、街とは変化していくものだろうと考える一方で、空が高かった数年前のことをいつか懐かしく思い出すのだろうとも考える。工事中だったショッピングモールのすぐ横で、工事用の足場と集めたゴミで二階建てのゴージャスな家を作って住んでいた名物おじさんは、今どこにいるのだろう。(しみず・ひろゆき=ライター、いけだ・あさこ=書家、金沢市出身)

 

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