表面の広がりに関心
緩やかにうねる紺色の画面の中央はややへこみ、周辺に向けてなだらかに盛り上がる。厚みは部分によって十センチほどもある。
表面の凹凸をたどると、葉脈を拡大したような線が見える。あるいは光を乱反射する水面(みなも)のきらめきといったイメージが浮かぶ。
「絵画作品ではありますが、絵面(えづら)を作ろうとしているわけではなくて、表面の広がり具合を表現したいんです。しかも広がってまた戻るような可動的な気配を見せたい」
「ベニヤ板で凹凸を作り、不織布を何層か重ねた上に油絵の具用の顔料で着色しています。北中展への出品は三回目。団体などに所属していないので、どんな風に見てもらえるのか知りたくて応募しました」 (鈴木弘)
この記事を印刷する