演目・解説

京都 大蔵流

薩摩守さつまのかみ

出家 茂山七五三
茶屋 茂山 逸平
船頭 茂山千五郎
後見 茂山  茂
   山下 守之
住吉神社・天王寺への参詣を志す遠国(おんごく)の僧侶。道中、喉(のど)が渇いたので茶屋へ寄って茶を飲みながら代金を払わない。茶屋の亭主はとがめるが無一文だと知って同情し、秀句[駄洒落]好きな神崎の渡し守の船にタダで乗るために、駄洒落ネタを教えてやる。ところが、いざ乗船したらそのネタの心を忘れて…。
「薩摩守」の本名は「忠度(ただのり)」。その名に「タダ乗り」を掛けた洒落。

東京 和泉流

栗焼くりやき

太郎冠者 野村 万作
主  野村 萬斎
後見 内藤  連
丹波の叔父から贈ってきた四十個の栗を焼くよう主人に命じられた太郎冠者(かじゃ)。台所へ運んで焼き始める。飛ばないように切れ目を入れたり、熱がったりしながらすべて焼き上げる。それを主人のところへ運ぼうとして一つ食べてみる。あまりのうまさに、つい夢中になって全部食べてしまう。さて、その言い訳は…。
栗を焼いて食べる場面のパントマイムのような写実的演技が見どころ。

名古屋 和泉流

千切木ちぎりき

太郎 佐藤 友彦
当屋   井上松次郎
女    野村又三郎
太郎冠者 鹿島 俊裕
立衆   松田 高義
立衆   藤波  徹
立衆   大橋 則夫
立衆   佐藤  融
後見 今枝 郁雄
連歌(れんが)の初心講に呼ばれなかった太郎が参会の場へ踏み込んでくる。生け花や掛け物にも難癖を付け悪態をつくので、太郎は一同に倒され踏みつけられて目を回す。太郎の急を聞いて駆けつけた妻は太郎をけしかけ、棒[千切木]と刀を持たせて、それぞれの家へ仕返しに行かせる。こわごわ相手の名前を呼ぶが…。
妻はいわゆる「わわしい女」。それと対照的な気弱な夫のおかしさ。

各流派のご紹介