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愛知大学前駅で一斉に降りる大学生ら=愛知県豊橋市で

 愛知大学前駅(愛知県豊橋市)に電車が滑り込む。扉が開くと、堰(せき)を切ったように大勢の大学生がホームになだれ込んだ。時折、時習館高校や豊橋工業高校の生徒の姿が交ざる。

 愛大地域政策学部を卒業したばかりの河合孝始(こうじ)さん(22)も、通学に渥美線を使ってきた。小坂井高校時代を含めて7年間。スマートフォンでニュースをチェックし、音楽を聴く。テスト前は英単語を覚えた。

 車内で当たり前に過ごした時間。卒業した今は「貴重な時間だった」と思う。

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 在学中、シンガポールや沖縄など国内外に10回、旅行した。帰ってきて渥美線に乗ると、ほっとする。語尾に「じゃん、だら、りん」が付く三河弁が聞こえるからだ。クロマツの林、広大なキャベツ畑。車窓の景色にも地元愛を感じる。

 4月から東京の飲料メーカーに就職する。配属先は未定だが、実家の豊橋市を離れるのは確実。希望と不安が半分ずつの巣立ち。

 この先もずっと、渥美線が走り続けてほしいと願う。帰省したとき、胸を張って言いたいから。「ただいま」と。

 文 ・中川 翔太
 写真・吉岡 広喜

 豊橋鉄道渥美線 1924年、渥美電鉄が開業し、27年に全線開通。40年に名古屋鉄道が渥美電鉄を吸収合併し、渥美線に。54年、豊橋鉄道に譲渡された。三河田原駅(愛知県田原市)と新豊橋駅(同県豊橋市)を35分で結ぶ延長18キロで、全16駅。戦時中、田原市の渥美半島先端に旧陸軍の射撃試験場があったため、三河田原駅から半島先端まで延伸する計画があったが、戦局悪化で中断した。

三河田原駅と新豊橋駅を結ぶ豊橋鉄道渥美線(動画)

 

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