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扇形と黒い格子のデザインが壮観な三河田原駅の駅舎=愛知県田原市で

 金属の黒格子の間から、室内の柔らかな光が漏れる。2階建ての三河田原駅(愛知県田原市)の駅舎は、上から見ると扇形。世界的な建築家安藤忠雄さん(77)が手掛け、2013年秋に出来上がった。

 2階には5つの丸机。教科書やノートを広げ、一心不乱に勉強する生徒たち。

 豊橋東高2年の鬮目(くじめ)若菜さん(17)に安藤さんの作だと伝えると、「そんなにすごい人が設計したなんて…。誇りに思う」。週3〜4回、ここで机に向かう。得意科目は英語。将来の夢は国際協力機関の職員だ。

 成章高2年の日比野虹太(こうた)さん(17)も安藤さんを知らなかったが、目指すのは大学の建築学科。図らずも偉大な先輩の背中を追う。

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 高校を卒業後、独学で必死に建築を勉強した安藤さん。自伝でこう語る。「無我夢中の時間の中にこそ、人生の充実があると思う」。駅舎のコンセプトは「Start Station(はじまりの駅)」。未来に向かう新しい場所に、と思いを込めた。

 「木の温(ぬく)もりがあって、落ち着いて勉強できる」。鬮目さんが再び、真剣なまなざしでアルファベットを綴(つづ)り始めた。

 文 ・中川 翔太
 写真・吉岡 広喜

 豊橋鉄道渥美線 1924年、渥美電鉄が開業し、27年に全線開通。40年に名古屋鉄道が渥美電鉄を吸収合併し、渥美線に。54年、豊橋鉄道に譲渡された。三河田原駅(愛知県田原市)と新豊橋駅(同県豊橋市)を35分で結ぶ延長18キロで、全16駅。戦時中、田原市の渥美半島先端に旧陸軍の射撃試験場があったため、三河田原駅から半島先端まで延伸する計画があったが、戦局悪化で中断した。

三河田原駅と新豊橋駅を結ぶ豊橋鉄道渥美線(動画)

 

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