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一面に広がる菜の花畑沿いを走る「菜の花号」。車窓の横に花のイラストが描かれている=愛知県豊橋市杉山町で

 銀の車体に黄をちりばめた「菜の花号」が、黄色い絨毯(じゅうたん)の上を滑っていくかのよう。愛知県豊橋市杉山町に広がる菜の花畑。「町全体を明るくする。気分もいい」。地元の牧野敏男さん(69)の視線は、子どもを見守るように優しい。

 渥美半島で咲く多彩な花の色でアクセントをつけた「カラフルトレイン」。桜やツバキなど10種類が渥美線を走る。ヘッドマークにも花の絵を添える。沿線の100万本にちなんだ菜の花号は、その代表格だ。

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 牧野さんは司法書士事務所で働いていたが、58歳で退職。コメとキャベツを栽培する実家の農業を継いだ。遊休農地で菜の花を育てる地域団体の活動にも携わってきた。

 遊休農地に捨てられたごみを見ると、胸が痛む。「環境を良くして、みんなの憩いの場にしたい一心」。毎年秋に種をまき、丁寧に雑草を取り除き、早春の満開を目指す。

 仕上がった花畑で、親子連れがはしゃぎ、大人が熱心にカメラを構える。地元の児童たちはPR看板を作ってくれた。「やりがいを感じる。だからこそ、きれいに咲かせたい」。体が動く限り、続けるつもりだ。

 文 ・中川 翔太
 写真・吉岡 広喜

 豊橋鉄道渥美線 1924年、渥美電鉄が開業し、27年に全線開通。40年に名古屋鉄道が渥美電鉄を吸収合併し、渥美線に。54年、豊橋鉄道に譲渡された。三河田原駅(愛知県田原市)と新豊橋駅(同県豊橋市)を35分で結ぶ延長18キロで、全16駅。戦時中、田原市の渥美半島先端に旧陸軍の射撃試験場があったため、三河田原駅から半島先端まで延伸する計画があったが、戦局悪化で中断した。

三河田原駅と新豊橋駅を結ぶ豊橋鉄道渥美線(動画)

 

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