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訓練運転で鵜住居駅に到着する三陸鉄道の列車。後方は「釜石鵜住居復興スタジアム」=岩手県釜石市で

 東日本大震災で580人が犠牲となった岩手県釜石市の鵜住居(うのすまい)地区。再び住宅が建ち、町の姿を取り戻しつつある中を、8年ぶりに列車が走る。

 「鉄道が通るのはうれしい」。線路近くに住む鵜住居小6年の佐々大知(だいち)君(12)は、訓練運転の車両を見ては心弾ませている。

 不通だったJR山田線の宮古−釜石間は23日、三陸鉄道に移管されて復旧する。三鉄は岩手沿岸の大半をつなぐ第三セクターの最長路線に生まれ変わる。

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 佐々君は自宅を再建した昨年6月まで、6年以上を仮設住宅で暮らした。同級生と離れ、遊ぶ場所もない。父親の勧めで3年前、ラグビーを始めた。最初はつらかったが、トライして「やった!」を重ねるうち、大好きに。昨季は小学生チームの主将も務めた。

 津波に遭った元の鵜住居小校舎の跡地には、「釜石鵜住居復興スタジアム」ができた。秋にはラグビーW杯の会場になる。三鉄に乗って、外国からも多くの人が来るだろう。

 「学校で勉強している英語を使って、案内をしてみたい」。そして、伝えるのだ。「I like rugby」と。

 文 ・日下部弘太
 写真・田中 久雄

 三陸鉄道 岩手県で1984(昭和59)年に開業した第三セクター路線。宮古−久慈間の北リアス線、盛−釜石間の南リアス線を運行している。2011年の東日本大震災で全線が不通となったが、5日後に一部で運転再開。14年4月に全線が復旧した。今年3月23日、震災から不通が続いていたJR山田線の釜石−宮古間が復旧、三鉄に移管され、計163キロの三セク最長路線になる。合わせて全線を「リアス線」と改称する。

復興へと歩む三陸鉄道の沿線を巡る(動画)

 

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