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出発した列車をホームから見送る嶋田博さん=福井県大野市の九頭竜湖駅で

 終着駅。ホームから駅舎に入ると、山小屋に来たよう。ほんのり明るく、木の香りに包まれる。

 福井県の東の玄関口、旧和泉村に九頭竜湖駅ができたのは、47年前。「画期的だった」。地元の嶋田博さん(67)は思い出す。高校に通うため、自分は隣の大野市に下宿したけれど、鉄道が来て、八つ下の弟は村から通えた。

 次女と長男も越美北線で高校に通い、冬は毎日のように駅まで車で送迎した。建設業を引退後、JR西日本の委託を受けた地元企業から「切符販売のなり手がいない」と頼まれ、引き受けた。「九頭竜湖駅をなくすわけにはいかない」と。

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 6年間、ほぼ毎日ここで過ごしてきた。「じーさん、ばーさんが元気よく回数券を買うのはうれしい」。小さな子どもが高校生になって駅を使うと、自分の孫の成長を見るような気持ちになる。鉄道ファンに請われ、手製の到着証明書も渡している。

 でも、地区の子どもは減り、通学定期を使う高校生は1年で3、4人。将来、県内に新幹線が来たら「枝線はどうなるのか」。何とか残したい。「山小屋」で知恵を絞っている。

 文 ・片岡 典子
 写真・布藤 哲矢

 JR越美北線 越前花堂(はなんどう)−九頭竜湖の22駅、52.5キロの非電化路線。全ての列車が福井始発で越前花堂までは北陸線の線路を走る。愛称は「九頭竜線」。1960(昭和35)年に南福井−越前花堂−勝原(かどはら)間で開業。72年に全線開通した。南福井−勝原では貨物営業もしたが82年に全線で廃止。現在の運行車両は、キハ120系気動車の1〜3両編成。

豪雪地帯を走る越美北線(動画)

 

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