トップ > 出発進行 > <2>20秒の柿色 パシャリ

ここから本文

<2>20秒の柿色 パシャリ<< 出発進行TOPへ

写真

渓谷に架かる第2九頭竜川橋りょう。水墨画のような雪景色に赤色が映える=福井県大野市の柿ケ島−勝原間で

 褐色の崖を横切る真っ赤な鉄橋。はやる心を静める。柿色の車体が現れた。ガッタン、ゴットン。ゆったり橋を進む。見えるのは20秒ほど。無心でカメラのシャッターを切った。

 福井県大野市の勝原(かどはら)駅に程近い、第2九頭竜川橋りょう。並行する国道から、雄大な峡谷をゆく列車を撮れる。「撮り鉄」に人気のスポットだ。

 地元の団体職員、木下大悟さん(36)も常連の一人。沿線近くで生まれ育ち、「赤ん坊の頃、越美北線の列車を見ると泣きやんだ」ほどの鉄道ファン。

写真

 12歳の秋、初めて一人で巡った「鉄道旅行」も越美北線だった。以来、北海道から九州まで鉄道に乗ってきた。川と山に沿ってふるさとを走る、この路線は一番愛着がある。

 鉄道写真は「春夏秋冬、一瞬一瞬の列車を切り取れる」のが醍醐味(だいごみ)。5年前は新型のラッセル車に偶然、出合った。

 「よしっ」。面白い絵柄が撮れると、小さくつぶやき、SNSにアップする。写真を見て大野を訪ねてくれた人は200人余り。新たな出会いをもたらす越美北線は、人生の活力源だ。

 文 ・片岡 典子
 写真・布藤 哲矢

 JR越美北線 越前花堂(はなんどう)−九頭竜湖の22駅、52.5キロの非電化路線。全ての列車が福井始発で越前花堂までは北陸線の線路を走る。愛称は「九頭竜線」。1960(昭和35)年に南福井−越前花堂−勝原(かどはら)間で開業。72年に全線開通した。南福井−勝原では貨物営業もしたが82年に全線で廃止。現在の運行車両は、キハ120系気動車の1〜3両編成。

豪雪地帯を走る越美北線(動画)

 

この記事を印刷する

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索