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下原八幡神社の境内を走る列車=岐阜県下呂市金山町中津原で

 二つの鳥居の間を列車が走り抜けた。岐阜県下呂市金山町中津原の下原八幡神社。境内の参道を高山線が横切る。遮断機はない。

 飛騨川と山に挟まれた地の神社の起源は、約1600年前と伝わる。春の例祭は、花笠(はながさ)踊りで華やぐ。

 境内を含む飛騨金山−焼石間の開業は1929(昭和4)年。高山線の早期開通は沿線の悲願だった。金山の歴史に詳しい岡戸孝明さん(70)は「人力頼みで時間のかかるトンネルを減らそうと、境内に線路を通しました」と解説する。

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 寛大な神の許しも得て開通した鉄道。氏子の長瀬茂樹さん(90)は「子どものころ、金山の駅で何度も出征兵士を見送った」と振り返る。高校には列車で通い、神社を横切った。

 花笠踊りが始まったのは江戸時代ともいわれ、豊作祈願が目的。踊り子10人余は伝統的に男子児童が担ったが、近年は少子化の影響で女子が参加することもある。

 例祭ではみこし行列もあり、参道を練って線路を渡る。事故が起きぬよう毎年、JR東海の職員数人が駆けつけ、見守っている。

 文 ・浜崎陽介
 写真・田中久雄

 高山線 岐阜から富山までの225.8キロで、全45駅。単線・非電化。岐阜−各務ケ原間が1920(大正9)年に開業したのが始まりで、その後、順次延伸した。34(昭和9)年に全線開通。看板列車の特急ワイドビューひだは、名古屋と高山などを結ぶ。今年6月末以降、雨による土砂崩れで一部区間の不通が続いたが、11月21日に全線で復旧した。

風光明媚で知られる高山線沿線を歩く(動画)

 

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