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通学客で混雑する朝の上野市駅。右後方は伊賀上野城=三重県伊賀市で

 伊賀鉄道が走る三重県伊賀市は2004年、旧上野市など1市3町2村の合併で生まれた。でも、上野市駅の名称はそのまま。表示変更に伴う経費の節減が理由とされる。観光に力を入れる岡本栄市長が最近、駅名表記を「忍者市駅」にする構想を明かしたが、上野は由緒ある地名である。

 室町時代の紀行文に「上野」は登場。江戸期、藩主の藤堂高虎が伊賀上野城の城下町を整備した。豪華なだんじりが練る上野天神祭は400年の歴史があり、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産。城下の人々の誇りである。

 04年の合併前、既に決まった名称「伊賀市」を再考し「伊賀上野市」などにすべきだとの声があがり、2万筆を超す署名が集まった。署名を集めた城下町の住民、松下任久さん(83)は「上野の名に愛着がある」と語る。

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 さて、件(くだん)の「忍者市駅」構想。「上野市駅」も正式名称として残るが、併記の場合は「忍者市駅」の表記を目立たせる考えらしい。松下さんは「観光客を増やしたいのは分かるけど…」。思いは複雑なようだった。

 文 ・日暮大輔
 写真・佐藤哲紀

 伊賀鉄道 伊賀上野(三重県伊賀市)と伊賀神戸(同)を結ぶ16.6キロで15駅。1916(大正5)年に、前身の伊賀軌道の上野駅連絡所(現・伊賀上野)−上野町(現・上野市)が開通したのが始まり。数度の合併を経て44(昭和19)年、近鉄伊賀線となった。2007(平成19)年、伊賀市と近鉄が出資する第三セクター伊賀鉄道の運行に。17年、車両や施設を市が保有し、運行を伊賀鉄道が担う公有民営方式に移行した。

忍者の里を走る伊賀鉄道(動画)

 

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