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見学者にたまり醤油の造り方を教える中川安憲さん(右)=愛知県武豊町の中定商店で

 愛知県武豊町の味噌(みそ)・たまりの蔵元中定商店は1879(明治12)年の創業。六代目の中川安憲さん(53)が、樽(たる)に入ったたまり醤油(じょうゆ)を見せてくれた。空調を使わず、自然の温度変化の中で2〜3年かけて熟成させている。「時間をかけているので、こくが出て、塩辛くなりません」

 武豊では明治期以降、味噌・たまりの蔵元が増えた。大消費地の名古屋に近いうえ、99年に武豊港(現・衣浦港)が県内初の外国との貿易港に指定されたため、満州(中国東北部)の大豆や塩を入手しやすかった。武豊線も輸送に貢献。中定商店には武豊駅まで製品を運んだ大八車が残る。

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 町歴史民俗資料館によると、1940年に50軒あった蔵元は今は8軒。食生活の洋風化などが影響した。

 中定商店では、安憲さんの義父で先代の隆文さん(76)が87年、敷地内に「醸造伝承館」を開設。古い道具を展示し、見学客受け入れに力を入れた。十数年前に継いだ安憲さんは塩こうじや甘酒などの新商品を発売し、味噌造り教室も開催。売り上げを倍増させた。

 文 ・垣見窓佳
 写真・小嶋明彦

 武豊線 武豊と大府を結ぶ19.3キロで全10駅。武豊−熱田間が1886(明治19)年に開業したのがはじまり。この区間の一部は後に東海道線に組み込まれ、枝線となった大府以南が武豊線になった。現在は、平日で上下合わせて82本が運行。朝、夕には名古屋発着の東海道線直通列車もある。

知多半島を走るJR武豊線(動画)

 

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