トップ > 出発進行 > <5>潜って掘って栄まで

ここから本文

<5>潜って掘って栄まで<< 出発進行TOPへ

写真

東大手、栄町へと続くトンネルに入る列車=名古屋市東区で

 名鉄瀬戸線の栄町行きは、名古屋市の東大手駅の手前でトンネルに入る。終点まで地下を南下する。

 かつて終点は栄町でなく、堀川駅。今の東大手付近から電車は名古屋城の外堀の地上部を走り、西へ向かった。地下化による栄町乗り入れは1978年。建設の現場責任者だった岡田紘次さん(78)=愛知県東海市=によると、難工事だった。

 ルート上に、国の特別史跡に指定されている名古屋城跡の一部「三の丸庭園」がある。露天で掘り返すことは許されず、庭園下は、モグラのように横に掘るシールド工法を採用。時間と費用がかかった。

写真

 名古屋テレビ塔の横も掘削。傾かぬよう、塔の地下の地盤を薬剤で固め、さらに鉄筋コンクリートの地中壁で囲んだ。傾斜や沈下を測る機器を塔に100以上設置。3ミリ沈めば工事中断と決めていたが、一度も止まらなかった。神経を使う2年半の工事で、岡田さんの体重は10キロ超落ちた。

 栄町駅開業から40年。名鉄を退職した岡田さんは今でも時々、栄に遊びに来る。いつもテレビ塔を見上げ、「ちゃんと立っとるな」と思う。

 文 ・水越直哉
 写真・太田朗子

 名鉄瀬戸線 栄町と尾張瀬戸を結ぶ20.6キロで全20駅。1978(昭和53)年の栄町乗り入れ以前は、名古屋城近くの堀川発着で、名古屋城の外堀を走ることから「お堀電車」とも呼ばれた。05(明治38)年、瀬戸自動鉄道として矢田−瀬戸間で開業したのが始まり。6年後に堀川まで延びた。社名は06年に瀬戸電気鉄道に変更。今も使われる愛称「せとでん」は、この社名に由来する。39(昭和14)年、名鉄が吸収合併。

名古屋の都心と尾張の陶都を結ぶ名鉄瀬戸線(動画)

 

この記事を印刷する

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索