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熊野灘沿いを走る列車。左の大木は、徐福の宮境内のクスノキ=三重県熊野市で

 熊野灘を境内のクスノキが見下ろす。三重県熊野市波田須(はだす)町の「徐福の宮」。そばを紀勢線が走る。

 波田須には紀元前、中国・秦の始皇帝の命を受け、不老不死の薬を求めて航海した徐福が上陸したと伝わる。司馬遷の史記に徐福の出発の記述があるが、後の消息は不明。上陸地と伝わる地は日本に多いが、波田須では秦の貨幣も出土した。

 郷土史に詳しい三石学さん(63)は「徐福という証拠はないが、少なくとも、黒潮に乗って上陸した人物はいた。4世紀以降、日本に各種技術を伝えた渡来人の先駆けだろう」と語る。

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 黒潮流れる海は、交流の海。熊野では、関東で見られる文様の縄文土器が見つかっている。江戸期、紀州の漁師たちは関東などに遠征し、漁法を伝えた。リアス式海岸が続く熊野周辺は紀勢線建設でも難所とされた。陸路交通に恵まれぬ地で、人々は海に活路を見いだした。

 徐福の宮では毎秋、自治会役員が祝詞をあげる。住民は毎月、交代で境内を清掃。「徐福さん」と呼んで、敬っている。

 文 ・木造康博
 写真・大橋脩人

 JR紀勢線 紀伊半島の海岸沿いを走る。亀山から和歌山市までの384.2キロ。東側は、1934(昭和9)年までに亀山から尾鷲まで通じた。西側は、40(同15)年までに、和歌山方面から新宮を経て紀伊木本(現・熊野市)まで開通。尾鷲−紀伊木本間は戦後に建設し、59(同34)年に全線開通した。亀山−新宮間はJR東海が管轄。名古屋−新宮間は特急ワイドビュー南紀で約3時間半。

熊野灘沿いを走るJR紀勢線(動画)

 

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