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【大相撲】

徳勝龍夫人の千恵さんが初優勝決めた大一番の前夜を語る「いびきをして熟睡してた」

2020年1月26日 21時10分

徳勝龍を握手で迎える千恵夫人

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◇大相撲初場所千秋楽(26日・両国国技館)

 西前頭17枚目の徳勝龍(33)が26日、結びの一番で大関貴景勝を寄り切りで破って14勝1敗とし、初優勝した。

 土俵でほえた、そして涙があふれ出した。史上初めて幕尻力士が千秋楽の結びに登場。しかも勝てば優勝のしびれるような大一番。今場所の神がかった突き落としが通じる相手ではない。誰もが不利を予想する中で、逆転技ではない、左四つで真正面から寄り切ってみせた。

 「本当に信じられない…」。支度部屋へ戻ってきてもまだあふれ出す涙をぬぐいながら、声を振り絞った。20年ぶりの幕尻V。98年ぶりに相撲発祥の地へもたらした天皇賜杯。悠久の都・奈良県出身にふさわしい、歴史的な下克上をやってのけた。

 18日に急死した近大相撲部の恩師、伊東勝人監督へ手向けの優勝。「見ていてくれたんじゃなくて、一緒に土俵にいて闘ってくれてたような気がします。誘ってくれなかったら今の自分はなかった。プロにも行ってなかった」と泣きじゃくりながら感謝した。

 涙だけじゃない。関西人らしく笑いも。そんな素朴人柄に、満員の国技館はほんわか暖かい空気に包まれた。国技館に足を運んだが「怖くて見られなかった」という千恵夫人(33)から見た徳勝龍は「穏やかで優しくて全然怒らない」。土俵下の優勝インタビューでは第一声が「自分なんかが優勝していいんでしょうか?」だった。

 「自分が一番下なんで怖いもんないと、思い切っていけました」とクールな一面をのぞかせつつも、「意識することなく…。うそです。メッチャ意識してました。バリバリ、インタビューの練習してました」と笑顔を見せる。

 千恵夫人によると「いびきをして熟睡してた」という大一番の前夜に、実はこっそりふろ場で練習していたという。

 8月には34歳。一時代を築いた同学年の稀勢の里は引退、豪栄道も大関から陥落した。だが、徳勝龍は1年ほど前から専属トレーナーのもとで肉体改造を始めた。「いけるとこまでいきたいですね。(3月はご当所の春場所だから)気合入った相撲でいく」と体も気持ちも若い。

 相撲発祥の地でありながら、相撲部がある中学は県内にわずか2校、高校は1校。「相撲をちょっとでも盛り上げられたら」。まだまだ徳勝龍にはやらなければならないことがある。

 

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