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【大相撲】

白鵬をぎゃふんと言わせた遠藤の会心の笑みに女性ファンならずとも魅力的、非常に気分が良い[北の富士コラム]

2020年1月13日 20時42分

遠藤(左)が切り返しで白鵬を破る

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◇13日 大相撲初場所2日目(両国国技館)

 2日目の土俵は荒れに荒れた。初日は万全の相撲で好スタートを切った白鵬と貴景勝が、枕を並べて敗れてしまった。

 それでは、大番狂わせとなった白鵬と遠藤の一番。先場所はかち上げ、張り手で痛い目にあっている遠藤は、立ち合いで左に変わって白鵬の左からの張り差しを防いだ。どうやら白鵬の頭には、遠藤の変化は予期されていなかったようだ。

 その証拠に、白鵬は思っていた以上に体勢を崩した。遠藤が「しめた」と思ったかどうかは分からないが、その後の攻めは誠に厳しいものがあった。左を深く差し込んで、白鵬の右腰にぴったりと体を密着させる。白鵬は苦し紛れの上手投げに出る。すかさず遠藤の外掛けが急襲する。がくんと白鵬の腰が落ちかける。しかし強靱(きょうじん)な足腰で辛くも残す。

 遠藤はさらに体を寄せて出る。白鵬は完全に腰が伸びきって棒立ちとなる。打つ手がない白鵬は再度、上手投げを打つ。しかし、これも手の内を読んだ遠藤が外掛けから切り返すと、白鵬はたまらず背中から崩れ落ちた。あまりにも鮮やかな遠藤の技能的な相撲に、館内は熱狂の渦と化した。

 初日の当欄で「誰か白鵬をぎゃふんと言わせる勇士はいないのか」と言った私も大興奮である。白鵬のかち上げと張り手には、立ち合いの変化もやるべし、とも書いている。それだけに、非常に気分が良い。

 遠藤もさんざん顔を張られていただけに、さぞ留飲が下がったに違いない。勝った瞬間、テレビの画面にニッと笑った遠藤の顔が映し出された。めったに喜怒哀楽を出さない遠藤の会心の笑みは、女性ファンならずとも魅力的であった。

 一方、白鵬はすっかり手の内を読まれ、裏返しにされた屈辱的な敗戦。結構、プライドを傷つけられたことだろう。まさに、おごれる者は久しからず、である。

 貴景勝も北勝富士にうまく取られ、良いところなく敗れた。北勝富士は立ち合い、左に体を開く時がある。一応は注意すべきであったが、うかつな立ち合いで失敗した。押し一本に絞ったのだから、立ち合いにもっと神経を払っていかねばならない。優勝候補の2人に早くも土がついて、どうやら今場所も混戦の気配となってきた。

 朝乃山が、この日も力強い相撲で玉鷲を下した。気力の方も充実しているので、大いに楽しみである。鶴竜は勝ったが、手負いの阿炎との対戦で喜ぶにはまだ早い。豪栄道は気力を振り絞って前に出たが、もう一歩が出せない。前途は多難である。高安はきわどい相撲ではあったが、今は内容よりも勝つことが先決である。

 炎鵬は正代に大きな相撲を取られて負けたが、気にしない、気にしない。それより、この日の首の使い方は危険である。注意した方が良い。2日目も熱戦が続いて少し疲れた。まだ2日目なのに、これでは先が思いやられる。

 初日の夜は馬刺しを食べようと思ったが、友人が大阪今井のうどんとたこ焼きを送ってくれたので、それをいただいた。今夜こそは馬刺しを食べよう。ニンニクをたっぷり効かせて精力をつけるとするか。酒は赤ワインに決まり。では、また明日。(元横綱)

 

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