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【大相撲】

V筆頭白鵬 2番手体調いい貴景勝

2020年1月11日 紙面から

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◇北の富士の大相撲展望

 みなさま明けましておめでとうございます。今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。年が明けたと思っていたら、あっという間に初場所の初日だ。力士の1年の計は、初場所から始まる。誰しもが気合十分で初日を迎える。はたしてどんな場所になるのか楽しみである。

 それでは早速、予想と見どころと行きますか。恒例の横審総見が6日にあったが、相変わらず白鵬の元気さだけが目立っていた。九州場所初日で不覚をとった大栄翔を引っ張り出して三番稽古。おわかりでしょうが、三番稽古といっても、たった三番では終わりません。両者がくたくたになるまで、どちらかが参るまでやるのが本来の三番稽古、白鵬はすでに他の力士と何番もとって疲れ切っている大栄翔を指名して十数番とった。

 抵抗のできない相手をちぎっては投げ、かち上げ、張り差しとやりたい放題。大栄翔は完全にグロッギー。一方、白鵬は息も乱さず白鵬強しを強烈に見せつけた。これが白鵬の常とう手段、手ごわい相手は敬遠し、四つに組むと力の出ない相手とやることが多い。

 この日も理事長が高安を買うように注意をするが、耳を貸さずに最後まで大栄翔1人で稽古を終えた。理事長の声を無視する格好になったが、稽古に集中し、声が聞こえなかったのかどうか。白鵬の態度は決して看過してはいけないと思う。横審の先生方にしても、目の前でかち上げや張り差しを見せつけられて気分がよかろうはずがない。しかし、張り手が禁じ手ではないだけに文句も言えまい。とはいえ、63年もこの世界を見ている私も、これほどふてぶてしい横綱は見たことがない。全ては43回優勝している大横綱に対し、苦言も呈せないのが情けない。誰かが朝青龍のほうがまだ、かわいいと言っていたが、全くその通りである。

 それでは、気分を変えて優勝の行方を占いましょう。筆頭は何だかんだといいながら白鵬だろう。これが悔しいところでもある。悩んだ末に貴景勝を2番手に挙げよう。先場所より、かなり体調がよさそうだ。貴景勝の当たりを受け止めるのは、白鵬ぐらいなものだろう。押し一本に絞ったようで、相撲に迷いが出なくなれば、十分に優勝を狙えよう。

 続いて朝乃山と言いたいが、まだ元稀勢の里に1勝16敗。十両の照ノ富士に3敗の話を聞くと、とても優勝の期待はできない。まず10勝を目標にすべきだろう。鶴竜も豪栄道も15日間、無事に取り切ることが大事である。高安が思っていた以上に元気であるが、10勝は至難かもしれない。

 今場所は三役と幕内上位にいい顔触れがそろっているので、好取組が見られそうだ。白鵬がもし崩れたなら、面白い展開になるだろう。打倒白鵬を合言葉に対戦する力士は燃えてもらいたい。人気の炎鵬は5枚目だから、上位との対戦は見られそうにないが、このあたりで小手調べも良いだろう。

 阿炎は二所一門の稽古に姿を見せなかったのが心配である。朝乃山の陰に隠れているが、着実に力をつけている。次期大関候補と言っても過言ではない。2度の優勝を経験している御嶽海が不気味な存在である。優勝候補の1人に挙げておこうと思う。

 以上、予想はこれまで。余談だが、年末と正月のテレビはラグビーの選手が出ずっぱりであった。ひと昔前は年末と正月はプロ野球と力士の独壇場だったものだが、すっかりラグビーの方に人気を持って行かれてしまったようだ。協会も満員御礼が続いているが、気をゆるめてはいけない。先日の石浦の件も、昔なら「元気があってよろしい」と言われたものだが、今ではとても通じない。今回も正月早々、文句を並べてしまったようだが、楽しい場所をみせてもらいたい。 (元横綱)

 

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