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【大相撲】

[北の富士コラム]高安、再出場はやめておけ

2019年11月18日 紙面から

◇北の富士評論「はやわざ御免」

 それでは8日目の上から行きましょうか。その前に高安が突然の休場となった。どうやらギックリ腰らしい。2日前に休場してはどうかと余計な事を言ってしまったが、図らずも1日おいて休場とは何ともはやである。今考えると不調の原因は左肘と思われていたが本当は腰の方が影響していたのではないのか。もともと腰痛持ちなのは周知の事である。話では様子を見て再出場も考えているらしいが、それはやめた方が良い。この際、時間をかけてじっくり治すことである。兄弟子の稀勢の里の二の舞いになるに決まっている。

 さて白鵬と玉鷲、最初は白鵬が手つき不十分で待った。次は玉鷲が突っかけて待った。白鵬が相手の胸をドンと突いた。これが白鵬のいけないところだ。血の気の多いところは直らないようだ。良く言うとまだ若いとも取れる。しかし相撲は冷静だった。一発張り手を見舞い、すぐに十分の左上手を引くと一気に寄り切った。行儀は悪いが相撲は強い。いよいよ本調子が出てきた。が、朝乃山が会心の相撲で続いている。遅まきながら貴景勝も今場所一の内容で立ち返りつつある。昨日も今日も本人は納得しているのではないだろうか。

 御嶽海は大きな碧山を押し切るのに時間がかかったが、本人いわく「自分の相撲が取れた」と言っているので信じよう。私の目にはまだもたついているように見えるのだが、信じるしかない。

 そのほかでは割合に熱戦が多かったみたい。中でも遠藤と北勝富士の一番は見応え十分だった。遠藤が立ち合いのうまさを見せ、北勝富士の押しを封じて得意の右でまわしを引いた。出し投げと寄りで攻めるが、北勝富士が粘りを見せて残す。なおも遠藤は攻め手を休めず前に出る。その都度よく抵抗したが、ついに反撃の糸口はつかめぬまま土俵を割った。遠藤は序盤は元気がなかったが、このところ勢いを増してきた。北勝富士は善戦したが、うまさと男前でも負けた。これはいつもの冗談。

 炎鵬と豊山の一番も妙な立ち合いで行司も加わり場内の笑いを誘った。豊山が小さな炎鵬に対し、触ると悪い病気がうつるようにおびえて突き放す。それを何とか病気をうつそうと炎鵬が頭を下げて突っ込むところを豊山はまるで汚いものでも踏んづけるように押しつぶした。私の例えが良くないだけで相撲は実に面白かった。2人に座布団一枚やってくれ。

 それでは食事だが、長崎の友達が私の大好物キビナゴの刺し身と鯨のベーコンをホテルまでわざわざ持ってきてくれた。現役を引退して45年もたっているのに昔のファンはありがたい。ビールでも飲んでおいしく頂こう。ところで今年はアラが不漁で各部屋にも差し入れがないようだ。どうやらやたら高いらしい。私なんぞは散々食べているので今更食いたいとも思わない。そこで一句。

 アラに河豚(フグ)高値の花と成りにける

 うーん、実にまずい句だ。師匠の間村先生にはまずくても場所中でも一句詠むようにと言われている。もう二つ三つ作ったのだが未発表にしておく。俺の句も下手だが先日テレビで錣山親方の句で元気が出た。せめて凡人ぐらいには成りたいものだ。 (元横綱)

 

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