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【大相撲】

炎鵬 吹っ飛ばされまいか心配したがあら不思議 見事出し投げ…俺も大関になれると思う[北の富士コラム]

2019年11月13日 0時29分

炎鵬(左)が下手出し投げで阿武咲を破る

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◇12日 大相撲九州場所3日目(福岡国際センター)

 昨日は大荒れの2日目だったが、今日3日目は上位陣が意地を見せて、昨日の波乱がまるでウソのように平和な土俵であった。ただ貴景勝だけは大栄翔に攻めまくられて大苦戦。土俵際で辛くも残し、はたきこみで何とか軍配をもらったが、当然のように物言いがついた。私は貴景勝の体が大きく土俵外に飛ぶのを大栄翔の手突きがほとんど同時と見て取り直しかなと思ったのだが、審判部は手突きの方が早いと見て貴景勝が辛勝した。私はこの裁定には文句はない。だが貴景勝は勝負には勝ったが相撲内容では完全に負けていた。ありがたい一番と思うことだ。初日こそ会心の相撲で勝ったが、昨日も今日も当たりは弱い腰も高い、そして引きが多い。悪いところばかりが目につく。

 まずしっかり当たることに重点を置くことだろう。立ち合いさえ当たりが出たら自然と相撲の流れは出てくるだろう。御嶽海は進境著しい明生をまったく寄せ付けなかった。まだまだ地力が違うようだ。やはり前に出ると強い。もっと前に出る相撲に徹底すべきである。

 来場所で大関を狙うなんてのん気なことを言ってないで今場所決めてやるぐらいの気力を見せてくれ。そして白鵬だが今日は気合が違っていた。右から一発。久しぶりの張り手である。朝乃山はこの張り手にまったく無警戒で張られてすっかり脇が開いてしまった。すかさず白鵬が右から左ともろ差し、休まずすくい投げであっさりと片付けてしまった。私は右四つがっぷりの相撲が見られると期待していたが、そうは問屋が卸さなかった。朝乃山は確かに大器ではあるが、相撲が正直なだけに白鵬のような百戦錬磨のうまい相手には先手を取られてしまうようだ。もう少し経験が必要である。しかし、白鵬と胸を合わせて攻め切れる日もそうは遠くないだろう。さて炎鵬に話を移そうか。

 私は阿武咲に一発で土俵際まで吹っ飛ばされはしまいかと心配していたが、あら不思議。炎鵬が低く立ってすぐに左を取って休まず右からひねりと同時に左下手からの出し投げが見事に決まったではありませんか。これで2連勝。番付もかなり上がってきたのでハラハラしていたが、どうしてどうして立派に中堅どころをつとめている。入幕したころの「借りてきた猫」のようなオドオド感もない。立派なもんだ。場所前、白鵬に大関になれると言われたらしいが、俺もそう思う。というよりそうなったらどんなに楽しいだろうと思うのであります。けがだけは避けてほしい。決して無理な残し方はするな。今場所も上位陣が頼りなくておもしろみに欠けている。照強も2勝して元気だしまた炎鵬と大暴れしてもらいたい。今や炎鵬を抜いて相撲は語れない。あまり炎鵬ばかりほめると叱られそうだからこのくらいにして飯食いに行こうと思ったが、そうだ、差し入れのタイの煮付けとゴマサバに卵焼きが冷蔵庫に入っているのを忘れていた。出掛けずに大好きなゴマサバでビールでも飲むことにしよう。では、さっそく「ごち」になります。(元横綱)

 

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